表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ラグナロクブレイカー  作者: 闇夜野 カラス
竜殺しの章
54/211

第三の女神

 三人は、この時の塔に来た目的である、ドラゴンの姿を、初めてはっきりと見た。


古代竜(エンシェントドラゴン)の持つ膨大な魔力は、ワシらの力からの干渉を受け付けんのじゃ。元々はこの塔に様々な罠や、ゴーレムなどを配置して試練とする予定だったのじゃが・・・。」


 ミーミル神は、苦々しくモニターに映った竜を見た。


「こやつが、全て破壊してしもうたわい。最下層に配置した、守護者(ガーディアン)も、見事に倒してしまいよった。こやつとの戦いは、まさに、命がけとなろう。それでも行くか?」


 ジークフリートは、肩の力が抜けた。

 これまで、命がけで無かったことなど一度もなかったからだ。

 そしてこうも思った。

 おそらく、このミーミルという神は、未来を覗けるがゆえに、不確かな未来を恐れているのだと。

 ジークフリートは、ブリュンヒルデと、シュベルトライテを見て答えた。


「正直な話、救世主とか言われてもピンとこないな。だが、俺はこの二人に認められるような男になりたい。当然行くさ!」

「それでこそだ!主殿」

「私も、お供します!」


 三人の様子を見て、ミーミル神は、オーディン神の見込んだだけのことはあるということかと、思い直した。


「どうやら、余計な心配だったようじゃの。そなたらが望むのなら、今すぐあの竜の眠る部屋の前に転移させることもできるぞい。どうしてほしいかね?」


 問われてジークフリートは、モニターを見た。


「あの子の名は?」

「あれは、ジークルーネだな!我らの中でも、特に魔法を使うことに秀でた戦乙女(ワルキューレ)だ!」


 モニターの中の女神は、鎧ではなく、ローブを着ていた。淡い水色のローブで、動きやすいように、ゆったりとした造りである。

 髪は、海を想わせる青色で、三つ編みに編みこみ、その顔には、この世界では、ほとんど見られない、眼鏡が掛けられていた。

 両手を広げ、直立するその前に、大きな水昌球が付いた錫杖が浮いた形で、固定されていた。

 

「ルーネは、魔法による支援や攻撃を得意としている。あの武器は、破壊の杖(ヴァナルガンド)という、多対一の戦いにおいては、最も威力を発揮する神宝具(オーパーツ)だな!」

「広範囲攻撃魔法が得意ですからね、あの子は。」

「で、どうする?主殿。」


 ジークフリートは、ニヤリと笑った。


「一刻も早く封石から出してやらないとな!じいさん!転移させてくれ!」


 ミーミル神は、ニコリと笑うと杖を振った。

 ジークフリート達は、一瞬にしてドラゴンの眠る部屋の前へ跳ばされた。


「ジークフリートよ!後はお主に託す。この世界を終焉より救い出してくれい!」


 ミーミル神は、戦いに赴いたジークフリート達の無事を祈るばかりであった。

 次回ようやくドラゴンとの戦いに入ります!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ