表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ラグナロクブレイカー  作者: 闇夜野 カラス
竜殺しの章
53/211

救世主

 ミーミル神の話を聞くため、ジークフリート一行は、このミーミルの泉と呼ばれる世界樹(ユグドラシル)の制御室に造られた、円卓に座らされた。

 

「さて、まずは、なぜお主がこの世界に、招かれたか知らねばならん。覚悟は良いかな?」

「俺には、選択肢なんてないだろ。もったいぶらずに話してくれないか。」


 ジークフリートの答えに、ミーメル神は頷いた。


「さよう。選択の余地は無い。ワシらは、お主に頼るしかないのじゃからな。」

「頼る?あなたが俺にですか?」

 

 ミーミル神は立ち上がり、前方の巨大なモニターを示した。

 そこには、凄まじい戦いの記録が流れていた。


「これは、かつて行われたラグナロクの記録じゃよ。ワシらはこの破壊と、創造を繰り返してきたのじゃ、そして、世界は少しづつ衰退していった。」


 モニターには、オーディン神の姿が現れた。

 白銀の鎧に身を包んだ隻眼の戦神である。

 その手に握られた槍を投擲すると、槍は、まるで意志があるように飛び、敵の巨人を次々と貫いた。


「あれが、父上の神槍グングニルだ。持ち主の意志のままに飛び、敵を必ず仕留める神器だな。」


 ブリュンヒルデとシュベルトライテは、かつての父神の雄姿を懐かしげに見つめていた。


「このままでは、この世界は近い未来崩壊し、完全に消滅することになると、未来を覗く力で予見したワシらは、その消滅をくい止めるために、三千世界の中から、その力と意志を持つものを探し出すべく、虹の橋(ビフレスト)を使い世界を渡り歩いた。」


 モニターには、虹の橋の力によって、あらゆる世界を渡る、オーディン神と、ミーミル神の姿が映っていた。


「しかし、その力と意志を持つ者は、見つからなかった。そこで、オーディンは、自分の娘達に、その力と意志の断片を刻みこみ、彼女らと、真実の愛と絆によって、世界を改変させる力に、目覚める者を探した。そのたった一人の適格者が、お主じゃよ。」


 そこで、ミーミル神は、ジークフリートを指差した。

 ブリュンヒルデと、シュベルトライテもジークフリートを真剣な目で、見つめていた。


「ところで、ジークフリートよ。お主まだその二人と契っておるまい?」


 突然、ミーミル神に聞かれ、ジークフリートはあわてた。


戦乙女(ワルキューレ)達には、貞操を守るための術が施されておる。純潔の誓いという術じゃ。しかし、お主らが、真実の愛と、絆によって結ばれた時、お主は、真の救世主(ラグナロクブレイカー)となるであろう。」


 ジークフリートとなった青年は、ようやく、自分が何故にこの世界へ招かれたのかを知ることが出来た。


「しかし、問題が一つだけあるんじゃ。」


 ミーミル神は、モニターに映し出されていた映像を変えた。

 そこには、女神の封石の前で、金銀財宝に埋もれて眠るドラゴンの姿があった。



 主人公が、この世界に、転生させられた理由です。それこそが、世界の終焉(ラグナロク)を打ち砕くもの。ラグナロクブレイカーという訳です。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ