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ラグナロクブレイカー  作者: 闇夜野 カラス
竜殺しの章
52/211

時の塔

 時の塔の内部は、不思議な空間であった。

 いたる所に階段があり、迷宮のようになっていた。

 しかし、


「広いな・・・。」

「おそらく、空間魔法の一種でしょう。試練の一環だと思いますが・・・。」

「どう進めばドラゴンの居る場所まで行けるか、一目瞭然だな!」


 そう、ヴァルカンの進んだ後には、(いちじる)しい破壊の跡が残されていたのである。

 

「この跡を辿れば、いいんだよな。」

「うむ!油断して寝ている内に、奴の懐に飛び込むとしよう!」


 ジークフリートが、意気揚々と進もうとするブリュンヒルデに、続こうとした時だった。

 

「ようやくここまで辿り着いたかのう。青年よ。いや、ジークフリートと呼んだほうがよいかの?」


 突如として声をかけられた一行は、素早く振り向いた。


「あ、あんたは!」


 ジークフリートの前に、かつて導きの宝珠を託した老人がいた。


「ま、まさか!貴方様は!」

「大賢神、ミーミル様ではありませんか!」


 ブリュンヒルデも、シュベルトライテも驚いた様子だったが、敵意を感じさせないその態度に、ジークフリートも警戒を緩めた。


「久方ぶりじゃのう、オーディンの娘らよ。しかし、ここでは落ち着いた話も出来ん。場所を変えるぞい。」


 老人が、手に持った杖を振ると、辺りは一変した。


「な!?」

「落ち着かれるがよい、主殿。」

「ただの転移魔法です。」


 女神二人は、落ち着いたものだった。


「ここは、時の塔の、頂上の部屋じゃ。ドラゴンに侵入されたのは、最下層じゃよ。」


 などと、説明する老人の、言葉はジークフリートの耳には入らなかった。

 なぜなら、そこには、この世界には、ありえない光景があったからだ。

 電子機器と分かる機材が、ズラリと並び、巨大なモニターには、この世界の様々な場所が、映し出されていた。

 そして、部屋の中心には、球体のホログラムがあり、そのホログラムの三方には、三人の女性が、目を閉じて浮いていた。


「あれは一体?」


 疑問を口にしたジークフリートに答えたのは、老人だった。


「あれは、ノルンの三姉妹じゃよ。あそこで、世界樹ユグドラシルを制御しておるのじゃよ。」


 そこまで語ると、老人は、ジークフリートに向きなおり、名を名乗った。


「ようこそジークフリートよ。ワシは、このミーミルの泉の主、大賢神ミーミルじゃ!」


 ミーミル神と言えば、オーディン神に、未来を覗く力を与えた神である。

 そして、力と引き換えに、オーディン神の片目を要求したことも有名な神だ。

 ジークフリートは、この神が、なぜ今自分の前に現れたのか、解らなかった。


「さて、ジークフリートよ!これから話すことは、お主にとっても重要なことじゃ。心して聞くがよい!」

 ドラゴンとの戦いと思いきや、導きの宝珠をジークフリートに渡した老人再登場、なにを語るつもりでしょうか?

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