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ラグナロクブレイカー  作者: 闇夜野 カラス
竜殺しの章
43/211

隊商頭ディートリヒ

(すげ)えな!!姉さん達!!」

「あんたらのお陰で、助かったぜ!ありがとうよ!!」


 突如として現れた二人の戦乙女(ワルキューレ)達によって救われた隊商の者たちは、彼女達を讃えた。

 その騒ぎを他所に、隊商の(リーダー)であるディートリヒは、そのうちの一人、ブリュンヒルデに目を奪われていた。


(まさか・・・女神の封石の女神さまか?いや、まさか・・・。)


 そんな彼に、護衛隊長のハイメが声をかけてきた。


「確かにとんでもない姉さん達だが、随分熱心に見つめるじゃないか。アリシアが焼き餅焼くんじゃねーの!」

「そういうんじゃない・・・ただ気になってな。」

「ふうん。」


 そこへ、ジークフリートを連れ、ディートリヒの妻であるアリシアがやってきた。


「あなた!あちらのお二人の御主人(マスター)をお連れしたわ。」

「アリシア!無事でよかった!」


 ディートリヒは、アリシアに駆け寄ると、しっかりと抱きしめた。

 そして、ジークフリートに向きなおると、助成に対する礼を述べた。


「礼を言う。本当に助かった。」

「困った時は、お互い様だろ?それに、俺はほとんど何もしてないよ。」

「それでも、言わせてほしい。ありがとう!!」


 ジークフリートは、ディートリヒの実直な性格に、好感を覚えた。

 すでに、隊商のものたちは、盗賊の死体の処理を開始していた。

 ディートリヒは、この盗賊の持っていた装備の取り分をジークフリートに相談しようとしたが、ジークフリートは、この申し出を辞退した。


「しかし、それでは、こちらの気が済みません。お礼だけでも受け取ってもらえませんか?」


 そう提案したディートリヒに、答えたのは、隊員達に囲まれていたブリュンヒルデであった。


「では我々も、同道させてもらうというのはどうかな?主殿。」

「どういうことだ?」

「この者達の行き先も、ウルザブルンということだ。共に行けば、危険も少ないであろう?」


 ジークフリートは、その言葉に頷いた。

 ディートリヒ夫妻は、ここぞとばかりに提案してきた。


「ならば、御一緒させていただく間、我々が皆さんの糧食を準備させていただきます。」

「私も腕を振るいます。是非!」


 ジークフリートは、苦笑しながら、その提案を受け入れた。

 ディートリヒは、自分達の馬車に戻るジークフリートたちを見送ると、自分達も、隊列を組み直すため、隊員たちに、指示を出しに戻った。

 しかし、その頭の中には、ある一つの確信が、芽生えていたのである。


(間違いない!ジークフリート殿の腰の剣、あれは、ヴァルムンクの宝剣、グラムだ!)


 

 




 

 なぜ、ディートリヒは、いろいろ知っているのでしょうか?

 答えは、次回です。


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