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ラグナロクブレイカー  作者: 闇夜野 カラス
始まりの章
4/211

霧の森

(なんとも変な爺さまだったぜ・・・)


 閃光が納まると、老人は、忽然と姿を消していた。

 ヤケ酒を飲み過ぎたせいで幻でも見たかと思ったが、テーブルの上に置かれたままの宝珠が、それは夢ではないことを告げていた。

 シグルドは未だ忘れられぬ女性への想いを断ち切る為、あの老人の言うことに乗ってみることにした。

 導きの宝珠の指し示すという、自分の運命という言葉に興味があったのは間違いなかったが、差し当たり目的もないシグルドは、ただひたすらに、宝珠の光の指し示した方角へ、黙々と歩き続けたのであった。

 しかし、どれだけ歩いても、何の変化も起きなかった。宝珠は一つの方向を示したままであり、国境を越え、道なき道を進み続けたが、一体どこへ自分を導こうとしているのか、シグルドには見当もつかなかった。

 痺れを切らしたシグルドは、道を変えてみることにしたが、これが災難を呼ぶこととなった。

 一度目は、盗賊の集団に襲撃された。

 二度目は、オオカミの群れに襲われた。

 三度目が、コレである。

 地面に倒れ伏す、トロールの死体の山に、シグルドは溜息をついた。

 どうやら、近くにトロールの巣があったらしい。一体目を倒した後、まるで湧き出るように、二体目、三体目と続き、十体を越える群れとなったのであった。


(俺の、運気が下がるアイテムか何かか?)


 そう考えたが、それでもいいと思っていた。

 なにせ、全て、魔導装甲(マギアームス)を出すまでもなく片付いてしまったのだ。

 怒りのぶつけどころがこれでは、肩すかしもいいところであった。

 不貞腐れながら歩いてると、辺りの様子が段々と変ってきたことにシグルドは気付いた。

 足を止め、魔導鞄から地図を出し、現在の自分の居場所の見当をつけようとした。なにせ森に入ってからは、獣道があった程度で、目印になるものなどなかったのだ。

 しかし、目の前に、漂い出した濃い霧に、シグルドはある記憶に思い至った。


「ヴァルムンクの霧の森か・・・。」


 わけ入れば、生きて帰ってきた者はいない、などと語られている森である。

 まあ、語られている以上、生存者がいるのだろうが、あの噂が事実であるとしたら、なるほど、たしかにこれは一筋縄ではいかない冒険となるだろう。


「面白くなってきやがった!」


 シグルドは、勇躍すると、宝珠の指し示す方角へ、再び歩き出した。

 森の奥に、進めば進むほど、霧は濃くなってゆく。

 一体どれほど進んだのであろうか、いつの間にか、シグルドは、自分が石畳の上を歩いていることに気が付いた。

 そして、ついにそれは姿を現した。

 かつて、その一帯を支配していた、ヴァルムンクの都市、その城門である。

 

 

 戦闘シーン書くのって難しいですね!

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