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ラグナロクブレイカー  作者: 闇夜野 カラス
試練の旅の章
35/211

第二の試練

 ジークフリート達が出ていくと、残されたのはエイル教皇とブリュンヒルデのみであった。

 エルルーンが、護衛を何名か残そうとしたのだが、二人共に必要ないと言ったからである。


「さて、エイル、私がここに残った理由は、分かっているのかな?」


 その質問に対し、エイル教皇は重々しく頷いた。


「大封印でございますね。」

「そうだ、父神オーディンが、命を賭して施した大封印、一度この目で見ておきたくてな。」

「ご案内いたしましょう。」


 エイル教皇は、祭壇のすぐ横にある、地下へ通じる階段を示した。

 階段は、地下深くにまで掘られていた。


「よし!では行くか!」


 そう言うと、ブリュンヒルデは、エイル教皇をヒョイと担いだ。

 いわゆるお姫様抱っこである。


「ブ、ブリュンヒルデ様?」

「時間が惜しい、このまま行くぞ。《光よ!我が行く道を照らせ!》」


 ブリュンヒルデが、ルーン言語魔法を唱えると、光球が頭上に現れ、階段を照らした。

 その階段を、ブリュンヒルデは風のように降って行った。

 エイル教皇のヒアアアと言う悲鳴を残して。


 

 そのころ、ジークフリートとシュベルトライテは、薔薇十字聖騎士団の騎士達と共に、練兵場に到着していた。

 騎士達は、二人の戦いを見ようと、既に休憩用の長椅子を持ち出し、即席の観覧席を作っていた。

 騎士達は、禁欲の毎日を過ごしているため、こういうイベントには、からっきし弱いのである。

 であるので、観覧席は全て満席である。

 時折、押さないでよとか、早く始まらないかな、などといった声も聞こえていた。


(お祭り騒ぎみたいになってるな。見世物ではないんだが・・・。)


 などと思っていると、審判役であるエルルーン団長が声を掛けてきた。


「すみませんジークフリート様、シュベルトライテ様、皆娯楽に飢えていて、こういう機会はめったに無いものですから。しかも、戦うのは、我らが女神と、我らの英雄どのですから、押さえが効かぬのです。」


 ジークフリートは、苦笑しながら答えた。


「構わんよ。勝負に影響がある訳ではないしな。」


 その言葉に、シュベルトライテも答えた。


「私も構いません。衆人環視の中、貴方を、完膚なきまでに叩きのめして差し上げましょう。」


 どうやら、ジークフリートの態度を、余裕と見たのか、シュベルトライテはキツい口調で、挑発してきた。


「そういえば、まだ自己紹介していなかったな。ヴァルムンクの後継者、ジークフリートだ。」


 シュベルトライテは、渋々といった感じで答えた。


「オーディン神が次女、剣の女神シュベルトライテです。貴方のその余裕、いつまでもつでしょうか?」


 そして、二人は構えあった。



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