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ラグナロクブレイカー  作者: 闇夜野 カラス
試練の旅の章
33/211

 教皇本人が、出迎えるなど、まるで国賓の待遇である。

 

「まさか、エイル猊下本人が御出で下さるとは。」


 ジークフリートも、これには驚いた。

 初めて、顔を見た教皇エイルは、人の良さそうな老婆であるが、そうではないことをジークフリートは知っていた。


「他の世界から、おいで下さった貴方様には、珍しい事かもしれませんね。」


 薔薇十字聖騎士団の団員達は、不思議そうな顔をしていたが、ブリュンヒルデがそれに答えた。


「さすが、オラクルだな!私もそのことを主殿から教えてもらったのは、つい最近だと言うのに。」


 エイル教皇は、ニコリと微笑むと、二人を神殿に誘った。


「さあ、どうぞこちらへ。」

「うむ!よろしくたのむぞ!」


 ブリュンヒルデは、平常運転である。

 いつもなら、人が溢れている大聖堂の中に、人はいなかった。

 

「人払いをしておきました。女神の封石はこちらです。」


 大地母神フレイアの巨大な神像の足元に、封石はあった。

 ジークフリートは、封石の前に立ち、女神を見つめた。

 羽飾りの付いた兜を被り、ブレストプレートを着けた武装は、ブリュンヒルデと同じであるが、色が違った。

 全体的に、藍色一色で統一されていた。

 髪は、漆を塗り込めたような漆黒、長さは腰まであった。

 そして何よりも、目を引いたのは、両の手に持っていた片刃の曲刀である。


「まさか、コレは刀か?」

「主殿の世界の武器だったな、確か。」

「ああ・・・柄のこしらえはこの世界のものだが、刀身はまさに刀だな。」

「この武器の名は、シルドレイク、《龍を切り裂くもの》と言う。」

「ヒルデのゼファリス《正義》もそうだが、凄い名だな。」


 ジークフリートは、グラムに手を掛けると、スラリと抜いた。

 教皇エイルや、薔薇十字聖騎士団の面々の前で、ジークフリートは剣をかざした。


「ではいくぞ!!」


 ジークフリートは、宝剣に念じた。


(封印よ、退け!!)


 その瞬間、グラムが輝き、封石に亀裂が入った。

 亀裂から光が漏れだし、光が大聖堂を満たしてゆく、そして、ドカッと封石の砕ける音が聞こえた。

 光が納まると、かつてブリュンヒルデの宝石がそうであったように、封石の破片が、宙に浮いて留まっていた。

 その中心から、一人の女神が歩み出た。


「私を封印から解いたのは、貴方か?」


 鈴の鳴っているような、凛とした声が、大聖堂に響いた。

 第二の女神、シュベルトライテがついに目覚めたのである。



 シュベルトライテさん、復活!大和撫子風女神です!!

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