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ラグナロクブレイカー  作者: 闇夜野 カラス
試練の旅の章
30/211

オラクル

 フォールクヴァングの中心、セスルームニル大神殿その最上階、そこは、女教皇エイルの私室である。

 エイルは、60歳になろうかと言う高齢の女性で、この街の全ての住民から慕われていた。

 治癒の力で、身分の隔てなく全ての民に癒しをもたらし、夢を使い未来を予見する預言者(オラクル)としての役割も担っていたからである。

 その彼女が、ここしばらく、一つの夢を見続けていた。

 それは、世界が、炎と闇に閉ざされる夢だ。

 闇の中に、二つの巨大な眼が見えていた。

 その眼は、じっと自分を見つめていた。

 しかし、恐れは無かった。

 なぜなら、この夢には、続きがあるからだ。

 闇の中に、一つの光点が現れた。

 そして、光点は更に九つに増え、次に、数えきれない程の光の渦に変わるのだ。

 光が、世界を覆い尽くす、そこでいつも目が覚めるのだ。

 彼女は、目覚め天蓋付きのベットから起き出し、バルコニーから、北の空を見つめた。

 

「北の凶星が、目覚めようとしている。しかし、希望はある。このフォールクヴァングも共に世界を守らねば・・・。」


 風に、その白く染まった髪を揺らしながら、エイルは、その瞳に決意を漲らせた。


 夜が明け、フォールクヴァングの人々が次第に起き出してきたころ、その正門に現れた二つの人影があった。

 この街を守るのは、薔薇十字聖騎士団という女性だけで構成されている軍隊である。

 正門を守る衛士たちは、その二人に身分明かすよう求めた。


「旅の剣士、ジークフリートだ。この街には所用があり立ち寄った。入場を許可していただきたい。」

「その妻(になる予定)のブリュンヒルデだ!よろしく頼む!」


 衛士たちは、二人の名前を聞いて驚いたようであったが、少々お待ち下さいと言い、二人を、正門の横に建てられた、入関所の応接室に案内した。

 お茶が出され、ソファーを勧められた二人は、大人しく従った。

 二人が、不思議に思っていると、いかにも聖騎士いう装いの女性が、現れた。

 その女性聖騎士は、二人の前のソファーに座り、頭を下げつつこう言った。

 

「ようこそ、フォールクヴァングへ!お待ちしておりました。ジークフリート様、ブリュンヒルデ様!」


 ジークフリートとブリュンヒルデは、顔を見合わせた。

 

 二人は無事、フォールクヴァングに着きました。

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