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ラグナロクブレイカー  作者: 闇夜野 カラス
試練の旅の章
23/211

朝の稽古

 さて、遥か北方の地で魔神の一族が動き出した頃、ジークフリートとブリュンヒルデは、イチャついていた。


「グハァ!!」


 とは言え、かなり方向性の違うイチャつき方だが・・・。

 

「主殿、獅子の鎧とグラムに振り回されておるぞ!もっと繊細に!指先まで気を配れ!!」


 そう言って、ブリュンヒルデは再び斬りかかった。

 ジークフリートは、急いで体勢を立て直し、迎え撃った。

 朝も明けぬうちに、日課であった鍛錬を始めたジークフリートにブリュンヒルデが、相手をしてやると言い、手合わせを始めたのであるが、ブリュンヒルデは魔導装甲も着けろと言いだした。

 最初は渋っていたジークフリートも、彼女の実力を量る良い機会だと思った。

 しかし、その思惑は直ぐに木端微塵に砕かれた。

 黒獅子の魔導装甲とグラムの取り扱いに、身体が慣れていないのもそうであるが、ブリュンヒルデが単純に強いのである。

 ジークフリートは、何回目になるか分からないほど、地面に叩きつけられることとなったのである。

 

(手も足も出ないぞ!!夢でも見ているのか俺は!!)


 ブリュンヒルデは、息一つ乱してはいない。

 片や、自分はもう土まみれである。

 ジグムント王との死闘に、勝利しただけに、その衝撃は大きかった。


「さて!朝の運動はここまでにしよう!『汚れを祓い、洗い清めよ!!』」

 

 ブリュンヒルデが、ルーン言語を唱えると、ジークフリートの身体についた汚れが綺麗になくなった。

 更に、


「『傷つきし肉の器に、癒しを与えよ!!』」


 今度は、身体の痛みが無くなった。


「古代魔法まで使えるのか・・・。」

「さて!朝食にしようではないか。主殿!」


 グウの音も出なくなったジークフリートだった。

 主人公サイドに戻りました。次なる試練はどこでしょうか?

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