表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ラグナロクブレイカー  作者: 闇夜野 カラス
神々の世界の章
197/211

グラズヘイム

 未だ機嫌の良くないヴィーを連れ、ブリュンヒルデ達を追いかけた。部屋を抜けた先は、天井の高い長い通路となっており、その先には巨大な扉があった。ブリュンヒルデ達はその前でジークフリートの到着を待っていた。


「遅いぞ主殿!」

「すまん!だが、まだヴィーの自己紹介がまだだったろう?ヤールンサクサ様、こちらは俺の相棒、炎の魔剣(グラム)の化身、ヴィーだ。さあ、ヴィー」

「ふん!まあ、よろしく頼むぞ。一応、ご主人(マスター)の顔を立てておいてやる」


 本物の女神、しかもブリュンヒルデ達よりも上位の女神に対し、傲岸不遜に言い放つヴィーであったが、ギョッとするジークフリートを他所に、ヤールンサクサは快活な笑い声を発した。


「ハハハッ!これは失礼した。剣に宿った精霊殿か。孫娘に会った喜びに、つい我を忘れてしまったようだ許されよ」


 余裕を持って答えるあたり、できた大人である。というか、大人どころではない年月を生きてきた神である。このくらいは当然なのであろう。


「では!改めて皆をグラズヘイムへ向かい入れよう!」


 ヤールンサクサの声に従い、巨大な門がひとりでに開き始める。外の世界からの光がジークフリート達を包んでいく。その光が晴れたとき、ジークフリートの前には、正に神々の世界と呼ぶに相応しい光景が広がっていた。


「こ、これが・・・」

「そうだ!ようこそ主殿!我等の故郷(グラズヘイム)へ!!」


 ブリュンヒルデの示す方角には、空中に浮かぶ大陸が無数にあった。それぞれに、虹の橋の門と同じ建築物が建てられており、森や湖なども見受けられた。そして、空には金色(こんじき)の雲に覆い尽くされているが、雲自体が発する光が、その世界を照らしていた。そして、ジークフリートが目を凝らすと、大陸間を行き来する飛行船のようなものまで見ることが出来た。

 天界グラズヘイム、そこは、地上までとは比べるべくもない程、高度に発展した魔導科学(マギサイエンス)の進んだ世界である。ジークフリートはそう認識した。


「さて、ジークフリート殿。ここはまだグラズヘイムの入り口にすぎぬ。貴方はここでやらねばならぬことがあるからな」


 そう言って先導するヤールンサクサの前には、発着場らしき場所が広がるだけであったが、彼女がそこで振り返ると、そのタイミングに合わせたのであろうか、光り輝く翼が下方からせり上がって来た。


「後は、目的地まで、ゆるりと船で行こうか」


 白き白亜の船体が出現し、その威容を現した。船とヤールンサクサは言っていたが、地上の船などとは機構そのものが違う。ジークフリートには宇宙船に見えていた位である。


「おお!これは懐かしい。父上の船、神船ファルマチュールではないか!」

「そうだ!これに乗って、勇者殿には、フリッグの住まう居城、ヴァーラスキャールブへと来てもらう。そこで、フリッグに勇者として認定してもらうのがその目的だ」


 勇者として神に認められる。それは、この世界住人にとってはこの上ない名誉である。ジークフリートは余り気乗りはしなかったが、ブリュンヒルデ達と共に先に進むことに否はなかった。


「ここまで来たんだ。行くさ!!」


 それは、自分自身に言い聞かせた言葉であったかもしれない。しかし、その言葉に頷く仲間達に、力強いものを感じながら、ジークフリートは、ファルマチュールに向かって、一歩を踏み出した。


 ようやく、グラズヘイムヘ入国出来たジークフリート一行ですが、まだまだ何か起こりそうな予感、期待と不安を胸に、ジークフリートは進みます。

 以下次回!!


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ