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ラグナロクブレイカー  作者: 闇夜野 カラス
勇者降臨の章
192/211

蛇将敗北

 それはまさに、蛇神族としての身体機能を利用した魔技(デモンアーツ)であった。ニーズホッグは、その四本存在する腕の上ニ本の手に持った円月刀(シミター)を逆手に持ちこれを振り下ろし、残り二本の腕で下から突き上げた。

 受ける側の魔導巨神(デウス・エクスマキナ)吠え叫ぶ者(ダイオーズ)に乗ったジークフリートには、巨大な蛇の(あぎと)が迫って来るように見えた。

 

『フッ!!』


 ジークフリートは、吠え叫ぶ者(ダイオーズ)を流れるように操作する。すると、今まで吠え叫ぶ者(ダイオーズ)の存在していた場所に、ニーズホッグの振るった円月刀(シミター)が噛み合わされ、空振りと同時に、ガキンと音をたてる。

 グランネイドルのドゥベルグ達から見れば、巨大な蛇となったニーズホッグが、吠え叫ぶ者(ダイオーズ)に喰らい付くように見えたことだろう。


 ガキン!ガキン!ガキン!ガキン!ガキン!ガキン!ガキン!ガキン!ガキン!ガキン!ガキン!ガキン!ガキン!ガキン!ガキン!ガキン!ガキン!ガキン!ガキン!ガキン!ガキン!ガキン!ガキン!ガキン!ガキン!ガキン!ガキン!ガキン!ガキン!ガキン!ガキン!ガキン!ガキン!ガキン!ガキン!


 吠え叫ぶ者(ダイオーズ)の機動を追いかけるように、ニーズホッグの円月刀(シミター)が大地を砕き、空を切り裂く。終ることのない破壊の連鎖が地形すら変え、ジークフリートを襲う。その様は、まさに百の頭を持つ蛇(ヒドラ)の姿であった。ニーズホッグの腕から流れた血が、円月刀(シミター)を伝い、混沌の蛇たる所以(ゆえん)である毒血がまとわり付き必殺の威力が加算される。しかし!


(当たらない!!なんという速度!!これが魔導巨神(デウス・エクスマキナ)!!)


 ニーズホッグは、自身の必殺と信じた技が、次々と躱されていくことが恐怖であった。例え魔導巨神(デウス・エクスマキナ)であろうとも、自身の魂すらも削った渾身の技を持ってすれば、必ず破壊できる!そう確信すらしていたのだから。


『死いぃぃぃぃねぇぇぇぇぇ!!!!』


 ニーズホッグの絶叫が、フニットビョルグに響き渡った。漆黒の闘気と毒血が巻き起こした嵐が、破壊の度合いを増大させて行き、地の底であるグランネイドルにまで、その余波が押し寄せようとした。

 その刹那、吠え叫ぶ者(ダイオーズ)の放つ金色(こんじき)の光が輝きを増し、炎の魔剣(グラム)の魔力によって生じた炎が噴き上がる。炎は魔剣の刀身を一瞬で赤熱化させ、真っ赤に染め上げた。


神技(ゴッドアーツ)


 ニーズホッグの第六感が、その言葉に死の危険を感じ取る。しかし、それは余りにも遅すぎた。


天威無放(ヘブンズバースト)


 集束された魔力が、吠え叫ぶ者(ダイオーズ)の背から、炎の魔剣(グラム)の力によって炎の翼を形成し、機体を一気に加速させる。


 ズドン!!


 音速を超えた機体が発した衝撃音と共に、吠え叫ぶ者(ダイオーズ)は、ニーズホッグの起こした剣戟の嵐の中に飛び込んで行く。だが、二つの神通力を手に入れたジークフリートにとって緩慢に過ぎた。その刃は狂いなくニーズホッグの肩口に添えられ、一気に斜めに切り裂いた。

 グランネイドルで、その戦いを見守っていたドゥベルグ達には、吠え叫ぶ者(ダイオーズ)が一瞬光った後、ニーズホッグの背後に転移したように見えたことだろう。事実、剣の女神と呼ばれるシュベルトライテでさえ、その剣の影さえ追うことが出来なかったほどだ。


「決ったな!」


 ブリュンヒルデの力のこもった声が響き、ドゥベルグ達は静まり返り、天空の瞳の映す映像に見入った。


 ガキン!!


 その音と共に、ようやくニーズホッグが止まる。円月刀(シミター)が噛み合ったまま微動だにしないニーズホッグの後ろで、吠え叫ぶ者(ダイオーズ)が立ち上がり、炎の魔剣(グラム)を一閃させる。


 ズルリ・・・


 ニーズホッグの身体が斜めにずれ、上半身と下半身に両断された身体が、ズシン!と音をたてて崩れ落ちた。 


 ジークフリート勝利の巻!!ついにニーズホッグを倒しました。

 以下次回!!

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