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ラグナロクブレイカー  作者: 闇夜野 カラス
勇者降臨の章
190/211

巨神の戦い

 ニーズホッグは狼狽していた。先程まで、確かに自分はグランネイドルの城壁を破り、ブレイザブリク城まで後一歩と迫りながら、突如魔法陣に包まれ、気が付けば、周囲には見渡す限りの雪景色が広がっていたからである。


『ここは一体・・・?何が起こったというのですか!?』

『ここは、グランネイドルの天井と言われるフニットビョルグの頂上だ』


 その声に、ニーズホッグは慌てて距離を取る。

 そこには、自分をその恐るべき(パワー)によって抑え込んだ魔導巨神(デウス・エクスマキナ)が悠然と佇んでいた。


『貴様が私をここへ!一体何者ですか!?名を名乗りなさい!!』

『魔法は俺じゃないんだが・・・そうだな、それが礼儀というものだろう・・・』


 そう言うと、漆黒の巨神は、その(つるぎ)を天へと掲げ、名乗りを上げた。


『我が名はジークフリート!!オーディン神によって選ばれた勇者なり!!そして、これなる巨神は、吠え叫ぶ者(ダイオーズ)!!この名をその魂に刻み、地獄(ヘルヘイム)へ落ちるがいい!!』


 ジークフリートの声と共に、吠え叫ぶ者(ダイオーズ)の巨体から、真紅の炎が噴き上がる。その炎は、たちまち周辺の積雪を蒸発させ、岩肌を露出させた。


『なるほど。オーディンに選ばれた者でしたか・・・ならば、私の全力で持って叩き潰して差し上げます!!』


 ニーズホッグの赤黒い蛇神鎧(スキュレイ)が、更にどす黒い紫へと変色する。


『私の名はニーズホッグ!!蛇王ヨルムンガルド様の将にして混沌の蛇!!私の全てを費やしても、貴方はここで消えてもらいましょう!!』


 流線形であった蛇神鎧(スキュレイ)の各所から、角が生えていく。蛇神鎧(スキュレイ)を完全戦闘形体へと変化させたニーズホッグは、その全身から、闘気(オーラ)(ほとばし)らせた。


『これは、尋常ではない闘気(オーラ)だぞ!!ご主人(マスター)!!』


 先程と違い、緊張したヴィーの声が、炎の魔剣(グラム)から聞こえる。それと同時に、別の声が、ジークフリートの頭に響いた。


『おそらく、己の魂すら消費して、あの鎧の出力を上げているのだ。気を引き締めて行け』


 落ち着いた男性の声である。これは、魔導巨神(デウス・エクスマキナ)に封じられた英霊の声である。二人の声に、ジークフリートは頷くと、その闘気(オーラ)を爆発させた。漆黒の巨体が、金色(こんじき)に染まる。


神気発勁(ゴッズオーラ)、こちらも最初から全力で行かせてもらう!!』


 ジークフリートの言葉に、蛇神鎧(スキュレイ)の下でニーズホッグは目を細める。彼は笑っているのである。彼は、表情というものが無い。そのような顔の構造ではない為である。しかし、この時確かに彼は笑った。それは、ヨルムンガルドへの忠誠を示せることへの喜びか、死力を尽くして戦うに足る相手に巡り合えたからなのか、それは彼にも分からなかった。

 そして、次の瞬間、巨大な二つの存在が唸りを上げて激突した。衝撃波に大地は震え、フニットビョルグの天空回廊を揺るがせた。

 対ニーズホッグ戦開幕です!!


 以下次回!!

 

 と言ういい所なのですが、来週は出張です。次回更新は金曜日以降となります。

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