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ラグナロクブレイカー  作者: 闇夜野 カラス
勇者降臨の章
175/211

エルドフリームニル復活

 ニーズホッグが新たな力を手に入れ、雄叫びを上げている頃、グランネイドルの王城、ブレイザブリク城の玉座の間では、ジークルーネが一人、締め切り前の漫画家の様な表情で、国宝である魔法の錬成釜、エルドフリームニルの修繕に取り掛かっていた。

 とはいえ、すでにエルドフリームニルは原型を留めていない。一体どのようにして解体したのか不明であるが、外周の釜の部分は、輪切りにされたようになっており、ジークルーネは現在、内部の魔導機械の部品を取り外している所であった。

 

「・・・やはり、混沌の水によって生じた瘴気の影響が、中枢の歯車を腐食させてしまっていたようですね」

「なんと!!そのようなことが!!・・・ジークルーネ様、エルドフリームニルは直りますでしょうか?」


 修繕の様子を見ていたブロック王が、ジークルーネに尋ねる。


「約束したでしょう。それに、ご主人様の武具の修繕にも、このエルドフリームニルが必要ですからね。しかし、腐食を取り払った所で、同じことがあれば、元の木阿弥というものでしょうね」

「もとの・・・もくあみですか?」

「ええ・・・ご主人様の世界の言葉で、一度よくなったものが元の状態に戻ってしまうことを指すそうです」

「はあ・・・」


 修繕とは全く関係のない話をしながらも、ジークルーネの作業の手は止まらない。手に持てない大型の部品でさえ、重力操作の魔法によって移動させてしまい。玉座に進む為にしかれたレッドカーペットの左右には、エルドフリームニルの部品が、整然と整頓されて置かれていた。ドゥベルグの技術者達は、ジークルーネの手際の良さに見惚れるだけで、まるで手出しが出来ない状況であった。

 シュベルトライテは、自分がここに残っても、何の手伝いも出来ないだろうと、早々に玉座の間より出て、今は守備の兵達と共に、周辺の偵察へと繰り出していた。

 ゆえに、玉座の間では、ジークルーネの独壇場が展開していた。


「いっそのこと、改造してしまいましょうか・・・」


 座った目でそう呟くジークルーネであったが、ブロック王をはじめ、ドゥベルグの誰も、彼女を止める術を持っていなかった。分解もさることながら、もう一度、組み立てることすらドゥベルグ達には不可能であったからである。


「ご主人様が帰って来るまでには、なんとか形にしなくてはなりませんね・・・」


 ちなみに、女神であっても、睡眠は必要らしい。ジークルーネは、ヘルムヴァーテの復活した日の夜からこの修繕に取り掛り、全く眠っていなかった為に、妙なテンションになってしまっているのである。


「ええい!まどろっこしい!!一気に改修してしまいましょう!!」


 ジークルーネがそう言うと、彼女を中心に球状の魔法陣が、玉座の間一杯に広がった。その魔法陣の放つ光に反応し、エルドフリームニルの部品が宙に浮かびあがり、ジークルーネを中心に、回り始めた。


「さあ!見るがいい、ドゥベルグ達よ!!これが錬金魔法の真髄である!!」


 興奮したジークルーネの声が、ブレイザブリク城に響き渡り、玉座の間は、光が溢れた。同時に、ドゥベルグ達の悲鳴のようなものも聞こえた。


「やはり、最後はそうなりましたか・・・逃げておいて正解でした」


 その閃光を城壁の上で目にしたシュベルトライテは、深々と溜息を吐いた。

 ジークルーネさん、暴走気味!!

 しかも、ニーズホッグは再び攻めて来るようです!!

 以下次回!!

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