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ラグナロクブレイカー  作者: 闇夜野 カラス
天への道の章
171/211

天上の剣

 金色の光を放つジークフリートを前に、ヘイムダルは驚きを禁じ得なかった。


『まさか、人の身で、神の領域に至るとは・・・それとも、神の血を引く血筋だとでもいうのか・・・?』


 必殺の気迫を込めて放った一刀を、いとも容易く避けられたのは、ジークフリートがヘイムダルと同じく、神通力を手に入れたことは間違いない。

 そう考えたヘイムダルは、自らの切り札を使うことを決断した。(すなわ)ち、神技(ゴッドアーツ)の使用である。

 すでに、ジークフリートが、オーディン神の選びだした勇者であることは承知していたが、あくまでも、これは死合(デュエル)である。天界の守護者の名にかけて、易々と敗北を喫するなど、彼の戦士としての誇り(プライド)が許さなかった。

 ヘイムダルは、再び神剣ホヴズを構え直し、その全身から、おびただしい神気(オーラ)(ほとばし)らせた。ヘイムダルの居城、ヒミョンブルグを鳴動させるほどの圧力である。ブリュンヒルデ達も、その神気(オーラ)()され、思わず一歩後退した。

 一歩も動かなかったのは、ジークフリートと死合(デュエル)の見届け役であるヘルムヴァーテのみである。

 ヘイムダルが勝負に出たのは、一目瞭然であった。故に、ジークフリートは、己の手に持つ、炎の魔剣(グラム)と化したヴィーに語りかけた。


「ヴィー、あちらさんは本気で来るようだ。おまえもそろそろ目を覚ました方がいいんじゃないか?」


 唐突に語りかけられたヴィーは、面喰(めんくら)って答えた。


ご主人(マスター)よ、一体何のことだ?』

「相手は、おそらくだが神技で決着を着けるつもりだ。その手に持つ神剣でな。お前の全ての力を尽くさねば、勝てる相手ではないぞ」

『全力も何も、我はすでに・・・』

「お前も、俺と同じく、一度死んだ身だ。だから、お前にも解るはずだ。ここで、再び死を受け入れれば、全ては水泡に帰す。俺達の帰りを待つ者達の想いを無駄にしていいのか?俺は嫌だ!!もう二度と、繋いだ絆を放したくない!!お前は違うのか!?ヴィー!!」


 ジークフリートの言葉に、ヴィーは魂を震わせた。そう、自分も放したくない。自分を受け入れてくれた温かい場所、仲間の元へ、自分の居るべき場所へ生きて帰る。そう想った瞬間、自分の奥底で、何かが弾け飛び、爆発した。


『・・・あ、あ、あ!!・・・なんかキターーーーーーーーーーー!!!!』


 ヴィーの叫び声と共に、炎の魔剣(グラム)の刀身が純白の閃光を放つ。それとともに、二人の思考に女性の声で、言葉が鳴り響く。


真・剣我一体の境地トゥルー・ソード・オブ・ソード!!開眼(コンプリート)!!》


 新たな力の会得に、ジークフリートは会心の笑みを浮かべる。


「そうだ!!俺達は、必ず生きて仲間の元へと帰る!!愛する仲間の元へな!!」


 そのジークフリートの叫びを聞き、ヘルムヴァーテが(ふる)えた。ブリュンヒルデ達も、訳もなく奮い立った。


「そうだ!主殿!!我々が付いているぞ!!」

「負けるな!!ジークフリート!!結婚もまだなのに、死ぬことなど許さんぞ!!」

「頑張るっス!!主さん!!ここが踏ん張り所っスよ!!」


 戦乙女(ワルキューレ)達の声援に答えるように、ジークフリートから、金色(こんじき)の闘気が、光の柱となり天へと昇っていく。


『どうやら、決着の時が来たようですな!!吾輩の渾身の一撃!!破れるものなら破って見せよ!!いざ!!!』


 同じくヘイムダルも、神気(オーラ)の光の柱を顕現させた。二つの光の柱の中で、両雄は構えを取る。ジークフリートは、炎の魔剣(グラム)を大上段に構えたのに対し、ヘイムダルは、剣を腰だめに引いた低い構えである。

 そして、互いの闘気が、ピークとなったその時、二人は同時に大地を蹴った。




天威無放(ヘブンズバースト)!!!」

天顕絶刀(ヘブンズソード)!!!』




 二人が激突した瞬間、眩い閃光が(きらめ)き炸裂した。

 遂に、ヘイムダル戦決着となります!!

 以下次回!!

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