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ラグナロクブレイカー  作者: 闇夜野 カラス
天への道の章
167/211

空へと続く道

 結局の所、ジークフリートは、ブロック王の用意したという宴会を辞退した。大浴場の一件で疲れた訳ではなかったが、試練を前に、酒精にまみれることをジークフリートが嫌った為である。そのことを聞いたブロック王は、ジークフリートの戦士としての姿勢に、痛く感心して、宴会は試練から無事戻った時、改めて行うことを約束させられたのであった。

 一夜明け、遂にその日がやって来た。既に準備を整えたジークフリートの前に、再び全身鎧(フルプレート)(まと)ったヘルムヴァーテが現れた。


『それでは~試練の場所へ向かいます~準備はいいですか~?』


 その問いかけに、ジークフリートが答えるより早く、ジークルーネが進み出てこう言った。


「ご主人様、私はここに残りエルドフリームニルの修繕に取り掛かろうと思います。御許可願えますか?」


 すると、シュベルトライテが進み出てそれに続いた。


「それでは、(わたくし)も残りましょう。先日の魔神族が、再びやって来ないとも限りませんからね」


 ジークルーネはともかく、シュベルトライテが残ると言い出したのは、ジークフリートにとって意外であった。その理由については、ブリュンヒルデが教えてくれた。


「ジークルーネの攻撃魔法は、強力すぎてこの大空洞ごと吹き飛ばしてしまうかもしれんからな!唯一、使用可能な凍結魔法は、相手に耐性があるし、だからといって、爆裂魔法や、炎熱魔法では、ニダヴェリール自体がこの世から消えかねん。それゆえ、シュベルトライテが残るのが得策ということなのだよ」


 ジークフリートは、ジークルーネの魔法の威力について、その破壊力の規模がどの程度かまでは知らされていなかったが、それほどまでとは、流石に想像していなかった。


「まあ、伊達に我ら古代竜(エンシェントドラゴン)の大軍と渡り合ってはおらんということじゃよ、ご主人(マスター)


 ヴィーのその言葉には、妙な実感がこもっていた。


「了解した。じゃあ、後付いて来るのは誰だ?」

「勿論、あたしとリンちゃんは付いて行くっス!」

「ええっ!?」


 ゲルヒルデが、リンドブルムの肩に手を回して答えると、リンドブルムは最初は慌てていたが、ブロック王に、神鎧甲(モノケロス)のことは任せろと、説得されると、不承不承(ふしょうぶしょう)ではあるが、付いて行くこととなった。


『これから向かうのは~このニダヴェリールの地上に存在する~神々の峰~フニットビョルグの頂上です~』


 そう言うと、ヘルムヴァーテはジークフリート達を引き連れ、王宮の奥の間に向かった。そこで、一行を待っていたのは、転移の魔法陣であった。ブロック王によると、この魔法陣は、グランネイドル建国の当時からあるものだが、何をしても、一向に何の反応も示さなかった為、捨て置かれたものであった。

 しかし、ヘルムヴァーテが盾砕き(ランドグリーズ)(かざ)すと、魔法陣は即座に反応した。光が溢れ出し、正常に作動したことを示す魔力の奔流が辺りに満ちた。


『覚悟はいいですね~それでは出発します~』


 ヘルムヴァーテのその言葉と共に、魔法陣の中に入っていたジークフリート達の姿が掻き消えた。


「生きて戻ってこいよ・・・ジークフリート」


 見送ったブロック王が呟いた。そして、残った二人の女神は、そろって天井に目を向けた。まるで、その向こうに存在するジークフリートを見守るように・・・。


 ジークフリート達は、山の頂上に造られた神殿に跳ばされていた。神殿の外には、絶景が広がっていたが、ジークフリートと、リンドブルムは息苦しさを覚えていた。フニットビョルグの標高は八千メートル級である。ブリュンヒルデ達に魔導装甲(マギアームス)を装着しておけと言われた意味がよく理解出来た。もしも、魔導装甲(マギアームス)無しでここに来ていれば、それだけで、気絶していたであろう。悪くすれば、そのまま死んでいても不思議ではなかったのだ。改めて、試練の先に待つ者が、一筋縄ではいかないことをジークフリートは感じていた。

 ヘルムヴァーテは、神殿の中央に進むと、再び盾砕き(ランドグリーズ)を掲げ、天へ向かい叫んだ。


『開け!!天上への道よ!!』


 いつもの間延びした声ではない。魂のこもった声が響くと、神殿の天井が消え、円形の穴となると、そこへ、空から七色の光が降り注いだ。

 遂に、天界への道が、ジークフリートの前に現れます。その前に立ちはだかるは、虹の橋の守護者、ヘイムダル!果たしてそれは如何なる存在か!?

 以下次回!!


 ところで、話とは全く関係ないですが、風邪をひきました。皆さんも季節の変わり目には、気を付けて下さいね!いつも読んでくれる皆さんに感謝!!

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