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ラグナロクブレイカー  作者: 闇夜野 カラス
天への道の章
160/211

駆け足の復活

 タングニョーストが、物凄い速度で走る中、ジークフリートは、ふとあることを思い出していた。それは、大闘技祭で闘った、ゼーリムニルの事であった。そういえば、あれも背部から突き出た排気管から、火を吹き出して速度を上げていたななどと考えているジークフリートは勿論、絶賛、現実逃避中であった。


「ブロック!このままグランネイドルの正門に突っ込みます!いいですね!?」

「致し方ありますまい!!王の名の元に許可します!!」

「と言うことです!!メリーダ!!スパイラルヘッド装備!!ドリルモードで一気に正門を突き破りなさい!!」

「了解です!!」


 そう言うと、メリーダが操縦席に並んだボタンの一つを押す。タングニョーストの前面から、巨大なドリルが突き出て一気に最高速で回転を始める。グランネイドルの正門は、鋼鉄の分厚い壁となってタングニョーストの突撃を受け止めたが、その重量とドリルの回転の前にあっけなく粉砕された。問題があったとするならその後である。タングニョーストの巨体は、グランネイドルの正門よりも大きかったのだ。その為、車体の半分が門の内側に入った所で止まってしまった。タングニョーストは、グランネイドルの門に、栓をした形になってしまったのである。


「なんとか、外に出られるようですね。早速、王宮へ行き、急いで、ヘルムヴァーテを復活させてしまいましょう。ご主人様」

「し・・・死ぬかと思った・・・」

「いや!なかなかの操縦だったぞ!メリーダ!本気でタングニョーストの専属操縦士にならないか!?」

「リンドブルム様・・・いい加減にして下さい・・・」

「かなり本気なのだが・・・」

「先を急ぎますよ。ゲルヒルデ、いいかげん諦めなさい」

「せっかく、良い感じに出来あがっていたんスよ・・・あのスープ」


 全員が、あせってタングニョーストの外へ出た時、ジークフリート達を待っていたのは、ドゥベルグの兵達による槍衾(やりぶすま)であった。


「「「「「「「あ・・・」」」」」」」


 全員が呆気にとられていたが、ブロック王が前へ出ると、兵達は一斉に槍衾(やりぶすま)を取り払った。


「これは、ブロック王様!一体これは何なのですか!?」

「説明は後でする!!今は外の魔神族を討伐することが先決じゃ!!その為に、我等が女神様の力をお借りする!!道を開けろ!!」

「「「「ははっ!!」」」」


 ブロック王が駆けだしたその後を、ジークフリート達がついて行く。街に入ると、街の住民は一様に咳き込み、中には既に、自由に動くことも出来なくなってしまった者もいるようだ。その症状は、瘴気の影響に外ならない。しかも、混沌の水は、街を地底湖から浮かせる為の支柱にも損害を与えているはずであることは明白であった。王城まで、ジークフリート達は一直線に走った。城門を抜け、長い通路を通り過ぎると、大きな扉の前に着いた。ブロック王が、その横に立っていた衛兵に頷くと、衛兵達はそれに応えて扉を開いた。どうやら、衛兵達に、ジークフリート達は、この先に進むことを許した存在であると教えたらしい。その理由は、玉座の間に入った瞬間に理解出来た。確かに玉座は存在しているが、それよりもジークフリート達の目を引いたのは、その場所に置かれていた巨大な金色の大釜(おおがま)である。というより、釜の姿に似せて造った錬成用の装置である。大きさは玉座の間の天井まで届く大きさであるが、炉の中にあるのではなく、そのまま無造作に置かれている感じだ。

 そして、その対面に、ジークフリート達の目的となっていた存在がいた。このニダヴェリールの国宝でもある。ヘルムヴァーテの収められた女神の封石である。


「ジークフリート殿!!」


 ブロック王の声に、ジークフリートは頷き、ヴィーを炎の魔剣(グラム)へと変身させる。そして、封印を解くべく封石の前へ立った。


(封印よ!退け!!)

 

 ニーズホッグが、グズグズしている間に、一行はヘルムヴァーテの復活に急ぎます。そして、目覚める五人目の女神、それは如何なる存在か?

 以下次回!!

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