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ラグナロクブレイカー  作者: 闇夜野 カラス
真戦の始まりの章
145/211

ディートリヒの旅立ち

 ジークフリート一行は、ヴィーグリーズ滞在中、ガルガンチュア王の居城、スルーズヴァンガル城に寝泊まりしていた。

 その中には、ディートリヒ達も含まれる。大河に連なる港に停泊したディートリヒ達の船、スキーズブラズニルには衛兵が付き、昼夜、警護をしてくれている。

 その訳なのだが、ジークフリートも呆れたことに、ディートリヒ夫妻はまたしても、掛札を購入していた。しかも、全額をジークフリートの一点買いであったという。

 更に、ジークフリート達に付いて、地元の有力者や、豪商達に挨拶回りをした結果、安くて品質の良い商品を購入出来たらしい。そのおかげか、スキーズブラズニルには、その商品が山積みとなっているのだ。

 その為の衛兵という訳である。

 そして、ディートリヒの商船の隊員達も、懐に余裕が出来たらしく、全員が魔導装甲(マギアームス)を購入したというのだ。

 彼等のこれからの前途を考えるに、その装備は必需品であることは間違いない。使うべき時は使うべきというアリシアの言に、金の使い方を知らないジークフリートは、思わずなるほどなどと呟いてしまった。

 更に、ディートリヒに至っては、このヴィーグリーズで最も有名な武器屋で、一点物の品を手に入れたらしい。

 その剣の銘は、エッケザックス。なんでも小人の鍛冶職人が造ったという剣で、その店の看板商品だったのらしいのだが、アリシアの話術によって、剣に相応しい持ち主ならば、エッケザックスを譲ることを約束させたらしい。

 例によって、ヴィーグリーズでは十八番(オハコ)となっている路上試合が行われる運びとなり、武器屋の主人は大闘技祭に出場していたブルートという闘士を出して来た。

 ヴェオウルフに一回戦で敗れた闘士である。

 流石に、ディートリヒには荷が勝ちすぎるのではないかと思っていたジークフリートであったが、その予想は見事に外れることとなる。

 これまで、ディートリヒが戦っている所を見たのは、ディートリヒの隊商(キャラバン)が襲われていた時だけであったのだが、その戦い方は、豪快の一言であった。

 路上試合は、刃傷沙汰はご法度であるため、両者素手での戦いである。

 一進一退の攻防が続いていたが、ディートリヒの右ストレートが、ブルートの顎を打ち抜き、見事ノックダウンを奪ったのである。

 しかも、戦いの後は対戦相手と互いに讃えあい、その上、武器商人からも絶賛されていた。

 その後、自分の主人だとジークフリートが紹介されると、武器商人は納得し、エッケザックスをなんと半額で譲ってくれたらしい。

 エッケザックスと、それに対となった魔導装甲(マギアームス)を手に入れたディートリヒは、なぜかその足でヴィーグリーズを発つことにしたと言いだした。

 ジークフリート一行の行き先はスヴェルトアールブ、つまり陸路である。

 ディートリヒにはヴァルムンクから、散り散りになった民達を再び故郷へ連れ戻すという大役が任されており、これ以上同道出来ないのであれば、その分、ジークフリートの役に立てるよう考えに考えた末の決断だったらしい。


「殿下!次に会うときは必ず吉報を持って参上します!どうか、お体に気を付けて!」

「そっちもな!ハイメの奴にもよろしく言っといてくれ!!」

「承知致しました!!ブリュンヒルデ様!殿下の事、くれぐれもよろしくお願いします!!」

「任せておけーーー!!」


 一言多いんだよ!などと思うジークフリートを他所に、スキーズブラズニルの巨体が見る見る小さくなっていく。

 港から離れて、見えなくなっていくスキーズブラズニルを眺めながら、ジークフリートも新たな旅立ちに向け、決意を新たにするのだった。


 エッケザックスは、ディートリヒ伝説の主人公、ディートリヒの持つとされる剣です。

 彼もまた、英雄の一人として歩み出しました。

 ジークフリートも、ヴィーグリーズからの旅立ちを決意しますが、一つ問題が残っています。その問題とは・・・。

 以下次回!!

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