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ラグナロクブレイカー  作者: 闇夜野 カラス
真戦の始まりの章
144/211

女神の輝石

 今日も闘技場(コロッセオ)では、リンドブルムとゲルヒルデが激しく火花を散らしていた。

 彼女らの周りには、この闘技場(コロッセオ)の闘士達が集まり、真剣な表情で見つめていた。

 槍という長物を扱っているにも関わらず、二人の動きは全くそれを感じさせない。

 まるで、一つの舞踏を舞っているような二人の動きは、しかし時に恐るべき一撃を放ちあい、見ている者達にまで、その恐怖が伝わるようであった。

 リンドブルムは雷鳴の斧槍(ガールブレイ)の能力を十全に使いこなせるようになっている。

 しかし、ゲルヒルデの勇気の槍(ゴングナー)に雷撃は通じない。正確には、ゲルヒルデの展開した勇者の力(ブレイブフォース)の力が、雷の属性攻撃を無効化しているのだ。

 避雷針(アンチサンダーボルト)という秘技(スペシャルアーツ)らしいが、これを使える者は、この場にゲルヒルデしかいない。

 自分と互角か、それ以上の相手に恵まれなかったリンドブルムにとって、ゲルヒルデは正に、うってつけの教師であった。

 二人は光の翼を展開し、空中戦に移行した。果てることのない二人の戦いに、観戦者達は、溜息を洩らすばかりである。


「凄まじいな。リンドのやつが、この短期間にあそこまで実力を上げるとは・・・」


 王の観覧席から、娘の戦いぶりを見たガルガンチュア王は、感慨深くそう呟いた。

 公務が終り、ジークフリートとブリュンヒルデを連れ、最近評判になっているリンドブルムの訓練を見に来たのである。


「元々、母親から受け継いだ潜在能力が開花しただけであろう。それに、ああ見えてゲルヒルデの奴は手加減を心得ているからな」


 ブリュンヒルデの言葉に、ガルガンチュア王は、軽く戦慄を覚えた。


「あれで、まだ手加減しているのか。凄いな・・・。しかし、ジークフリートが旅立つ時は、ゲルヒルデ様も共に行ってしまうとなればヴィーグリーズの加護は失われてしまうのだろうな・・・」


 少し残念そうに言うガルガンチュア王であったが、ブリュンヒルデの一言がその空気を変える。


「加護は失われたりはしない。見るがいいガルガンチュアよ!」


 ブリュンヒルデの指し示した方を、ジークフリートとガルガンチュア王が見ると、封石はゲルヒルデの収まっていた部分がそのまま空洞となり、まるで今も透明となったゲルヒルデがそこにいるようである。そして、淡い光を放ち続ける封石は、その力を失っていないようであった。


「どういうことだ。ヒルデ?」


 これまで、女神達の封印を解いた後は、封石のことなど注視していなかったジークフリートは、初めてその事に気が付いた。


「この封石は、二千年の永きに渡り我等の神気を受け続けていたのだ。この先、半永久的にその力が無くなることはない」

「半永久的と言うと?」


 ガルガンチュア王は、ふと疑問を口にした。


「ヴィーグリーズの民達が、封石の加護にそぐわぬ者となれば、その効力は打ち消されるということだ。この女神の封石、いや女神の輝石と言った方が正しいか・・・」

「女神の輝石か!うむ、了解した。民達の不安もこれで解消できるというものだ。礼を言わせて頂きたい、ブリュンヒルデ様」


 ガルガンチュア王の言いように、ブリュンヒルデは苦笑した。


「無理に、敬称を付けることはない。それに、私も堅苦しいのは苦手でな」

「そう言ってもらえると助かる。いや!気が合うな!ブリュンヒルデよ」


 そう言って笑うガルガンチュア王とブリュンヒルデ、そして、ジークフリートは訓練が終り、地上に降り立ったリンドブルムと、ゲルヒルデの元へ進んで行った。


 ジークフリート達は、次の目的地に向け、行動を開始します。

 次なる目的地、スヴェルトアールブで待ち受ける試練とは?

 以下次回!!

 と言いたいところですが、明日は出張です。残念!!

 火曜日以降の更新となります。スミマセン!

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