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ラグナロクブレイカー  作者: 闇夜野 カラス
真戦の始まりの章
134/211

女神の凱旋

 大闘技祭の最中に、突如として行われた魔神族の侵攻。

 いかに壮健なヴィーグリーズの民達といえど、この戦いは大いに胆を冷やしたらしい。

 だが、その陰鬱とした空気を吹き飛ばしたのは、五人の乙女であった。

 特に、北の平原で自ら最前線に赴き、敵将を打ち取る寸前まで追い詰め、多くの敵兵を薙ぎ払ったリンドブルムと、東の戦場でフェンリルと戦いこれを追い返し凱旋してきた、このヴィーグリーズの守護女神、ゲルヒルデの存在が人々に、大いなる勇気を与えた。


 リンドブルム率いる、ヴィーグリーズの正規軍と、傭兵達による義勇軍の帰還は、ヴィーグリーズの民達の総出による歓迎が待っていた。

 正規兵達や、傭兵達に炊き出しや、料理が振舞われた。

 リンドブルムの周りは、彼女を慕う市民達でごった返していた。


「流石、我等が姫様!!ありがとうございます!!」

「姫様がいれば、ヴィーグリーズは安泰ですわ!」

「おひめさま!ありがとうーー!」


 老若男女を問わず、歓喜の声がリンドブルムを包む。

 その声に応えるリンドブルムの顔は、心からの笑顔で溢れていた。


「皆!礼を言うのはこちらの方だ!皆が支えてくれるからこそ、私は戦える!これからも私は、ヴィーグリーズの為、戦うことを誓おう!!」


 雷鳴の斧槍(ガールブレイ)を掲げると、市民達は更に盛り上がった。

 日の出と共に東の空からゲルヒルデが帰還したのはその時であった。

 ゲルヒルデは落ち込んでいた。

 せっかく、主となったジークフリートに良い所を見せようとして奮起したにも関わらず。

 獣牙族の損害を防ぐために、一人で立ち向かってきた獣王フェンリルに一騎打ちを挑まれ、これと戦うために全力を費やさねばならなかったのだ。

 獣王フェンリル、その名は伊達ではなかった。


「あーーーー!!全然いいとこ無しッス!!このままじゃ、アタシの印象、最悪のままッスよ!!」


 勇者の力(ブレイブフォース)を展開し、朝日を背負い、光の翼で空から舞い降りるゲルヒルデ。

 彼女を信奉するヴィーグリーズの人々が、その神々しい姿を見てどう思ったかは、想像に(かた)くない。


「女神様だ・・・」


 誰かがそう呟いた。

 その呟きは波紋となって広がり、爆発した。


「女神だ!!我等が女神様が、ヴィーグリーズを御救い下されたぞ!!」

「女神様!!バンザーーイ!!」


 人々は、口々にゲルヒルデを(たた)えた。

 そして、調度そのとき帰還したシュベルトライテと、ジークルーネがその横に並ぶと、その神々しさは更に増した。

 人々は、自分達の危機に、ヴィーグリーズの女神が、姉妹を連れて救援に駆け付けたのだと思ったらしい。


「なんだか、凄い事になってるッスね・・・」

「他人事みたいに、言うんじゃありません。皆、貴方の信者なのです。応えてあげなさい」


 ジークルーネに促され、手を振るゲルヒルデ。

 再び、人々の歓喜が爆発した。

 その中を、ガルガンチュアを支えたジークフリートと共に迎えに来たブリュンヒルデは、守護者の力(ガーディアンフォース)を発動させて、リンドブルムの元へ飛ぶと、その手を取り、ゲルヒルデ達に合流した。


「どういうつもりだ。ブリュンヒルデ」

「ヴィーグリーズの民達の不安を取り除く良い機会だと思わないか?」


 その言葉に、リンドブルムはブリュンヒルデの配慮に気が付いた。

 勝利者の力(ウイニングフォース)を展開し、赤き光の翼を広げるリンドブルム。

 その五人の戦乙女(ワルキューレ)が集うその光景に、人々はようやく、その心に安らぎを得ることが出来たのである。

 ゲルヒルデは、リンドブルムに負けず劣らず人気者です!

 さて、魔神族の侵攻をくい止め、ゲルヒルデの開放に成功したジークフリート一行、次なる試練は一体!?

 以下次回ですが、また五日ほど出張します。残念!!

 更新は、出来れば土、日あたりです。

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