表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ラグナロクブレイカー  作者: 闇夜野 カラス
始まりの章
13/211

養父の正体

 ついに現れた、剣王ジグムント。その体から発する鬼気は、大気を歪ませ、まるで陽炎のようである。

 シグルドは、その鬼気を肌で感じて戦慄していた。


(化け物級だな・・・ここまでの力の波動は、ダインヘイムにおけるギンヌンガカプ要塞の防衛戦で、雷帝ガルガンチュアの戦いを見て以来だ・・・)


 自然と、冷汗が頬を伝った。

 ジグムントは、騎士たちの隊列の間を、悠然と歩いて来る。

 その正に、王者の風格を湛えた在り様は、文献に語られていたような、人類の裏切り者としてのイメージは、全く感じさせなかった。


 司教ミーメの前まで来ると、そこで初めてシグルドに声を掛けてきた。


『余が、剣王ジグムントである。余に戦いを挑みたいと言うのはそなたか?』


 落ち着いた深みのある声である。

 シグルドは、唾を飲み込みその声に答えた。


「そうだ!俺は剣士シグルド!貴方に挑戦したく思いやって来た者だ。この挑戦、受けてくれますか?」


 声が震えそうになるのを、気力を振り絞りながら、シグルドは挑戦の意思を伝えた。

 その様子に、剣王ジグムントは、肩を揺らしながら答えた。どうやら、少し笑ったらしい。


『挑まれて断るほど無粋ではないさ、しかし。』


 ジグムントは、腰に差していた剣を抜き放った。


『命がけだぞ?』


 その切っ先をシグルドに向け、殺気を叩きつけてきた。

 身も凍るような殺気を受け、シグルドはブルリと震えた。

 しかし、それは恐怖ではなかった。

 いわゆる武者震いというものである。


「承知の上です。王よ。あなたと戦えるのなら、本望というもの。」


 そう言って、シグルドはニヤリと笑った。


『ならば、是非もない。』


 剣王ジグムントは、そこで司教ミーメを見て手短に聞いた。


『試したか?』


 ミーメは、困惑した様子で答えた。


『はい・・・しかしながら・・・。』


 いまだ、自然石に刺さったままの宝剣グラムを目線で示すことでその問いに答えた。


『そうか・・・お前の養父はレギンといったそうだな。どのような人物であったか聞かせてくれまいか?』

「田舎の鍛冶屋のオヤジですよ。ただ、剣の使い方や騎士の作法なども養父から教えられたものですが・・・。」

『ふふ・・・やはりな。・・・そなたの養父は、我が近衛の一人であった。剣においては、我に迫るほどの使い手であったよ。』


 シグルドは、養父の正体を知り驚いた。


『そうであるなら、手加減は無用だな!ヴィーザルまでも倒したのだ、実力は間違いなかろう!』


 シグルドは、正門を守っていた死霊騎士(スケルトンナイト)を思い出した。


『ヴィーザルは、この国では、一の槍使いであった。それを倒し我が前に立つと言うなら、資格は十分!!』


 剣王ジグムントは、悠然と剣を構えた。


『さあ!存分にかかってくるがよい!!!』

 

 戦闘シーン突入です。ちなみにニーベルングの指輪でのレギンは、悪党です。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ