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ラグナロクブレイカー  作者: 闇夜野 カラス
大闘技祭の章 急
125/211

神技 対 神技

 かつて、その一撃によって、ギンヌンガカプの要塞を襲ったヨートゥンヘイムの霜の巨人二百体を、瞬時に撃滅してのけた神技(ゴッドアーツ)、それが|豪砲雷落《ライトニングスマッシャ―》である。

 対して、ジークフリートも神技(ゴッドアーツ)で対抗する。

 目には目を、歯には歯を、神技(ゴッドアーツ)には神技(ゴッドアーツ)を、それがジークフリートの作戦である。

 作戦と呼べるかどうかは謎であるが、それが唯一の突破口であることに間違いは無い。

 黒獅子の鎧が金色に染まり、ジークフリートの闘気が、極大と成る。

 それに呼応して、炎の魔剣(グラム)が真紅に輝く。

 ガルガンチュアの渾身の一撃が決るその刹那、打ち下ろす雷神の鎚(ニョルニル)に狙いを定め、ジークフリートの神技(ゴッドアーツ)が炸裂する。

 ヴィーの魔力の全てを消費し、満月の周期に合わせ一度しか使えぬ神技(ゴッドアーツ)、その名は。


煉獄天衝インフェルノブラスター!!!!」


 振るった刀身から、流星の吐息(メテオブレス)の魔力と、ジークフリートの魔神の力が一体となった神技(ゴッドアーツ)が発動する。

 閃光が(はし)った。

 次の瞬間、闘技場(コロッセオ)を激震が襲った。


 ドゴオオオオオオオオオオオオオオオオオン!!!!!


 爆音が鳴り響き、結界が揺さぶられる。


「クウッ!!?」


 結界を支えていたジークルーネが、苦悶の声を洩らす。

 衝撃波だけでも、観客の全てを消し飛ばしてもおかしくない威力であった。

 と同時に、ブラギを除く宮廷魔術師達全員が気を失う。

 結界が効力を失い、掻き消える。

 と、爆煙の中から二つの光が飛び出し壁に激突した。

 炎の魔剣(グラム)雷神の鎚(ニョルニル)である。

 二つの武器は、対角線上に壁に激突し、オブジェと化してしまった。

 人々は、ジークフリートとガルガンチュアの姿を、砂煙の向こうに探した。

 

「父上!!ジークフリート!!」


 身を乗り出して二人を探すリンドブルム、しかし、ブリュンヒルデは落ち着いて声をかけた。


「落ち着けリンドブルム!」

「これが落ち着いていられるか!お前はジークフリートが心配ではないのか!」


 そう問われたブリュンヒルデは、シュベルトライテに視線を移す。

 シュベルトライテは、その意味を察し目を閉じた。

 その手がスッと上がり、武舞台(ステージ)の一角を示す。

 果たして、その()(しめ)された先に、二人は居た。

 ジークフリートは、全身がボロボロである。

 未だ(かす)かに黒獅子の鎧の治癒効果があるとはいえ、すでに魔人化は解かれ、ズタズタにされた鎧は、見るからにその受けたダメージが尋常のものではないと物語っていた。

 一方、ガルガンチュアの方も、酷い有様である。

 上半身を覆っていた力の帯(メギンギョルズ)が跡形もない。

 魔導核である腕輪は無事であるから、完全に破壊された訳ではない。

 むしろ、あの爆発の中心で五体満足でいることが、神宝具(オーパーツ)の凄さを(うかが)わせるというものである。

 二人とも、正に満身創痍の状態である。

 だが、決着は付いていない。

 震える体を支え、なんとか前を向いたガルガンチュアが見たものは、ジークフリートが放った拳であった。

 顔面に撃ち込まれる拳を感じながら、ガルガンチュアも無意識に拳を突き出していた。

 ジークフリートの腹に突き刺さるガルガンチュアの拳、戦いはまだ終っていなかった。

 観客達は、ようやく二人の存在に気付いたようだ。

 所々で、ザワつく声が聞こえ始めた。

 その中、一人だけその場を離れた者がいた。

 フェニヤである。

 フェニヤは、懐から念話水晶(テレパスクリスタル)を取り出し、告げた。


「今がその時です!ファーブニル様!」

『ご苦労だったフェニヤ。直ぐに離脱しろ、そこは地獄と化す!』


 彼女を気遣うその言葉に首を振り、フェニヤは答える。


「いえ!お供いたします!たとえ地獄であろうとも!」


 そう言うと、フェニヤは念話水晶(テレパスクリスタル)を切った。

 そして、闘技場(コロッセオ)に振り向くと、クスリと笑った。


「こうも上手くいくとは、あの半魔人には感謝しなければな。フフフ・・・」


 更なる戦いが、始まろうとしていた。

 二人の闘いはまだ続きます。

 そして、新たな脅威がヴィーグリーズを襲います。

 以下次回!!


 ところで、神技の名前を当て字に変えました。

 やはり無理があったので・・・。(汗)

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