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ラグナロクブレイカー  作者: 闇夜野 カラス
大闘技祭の章 急
113/211

剣士の思惑

 ジークフリートに宣戦布告を果たしたフェルナンデスは、ゴライアスの元に向かった。

 ゴライアスの性格を熟知しているフェルナンデスは、彼が自決でもしないかと心配になったからであった。

 しかし、フェルナンデスが医務室に入ってみると、そこにはえらくすっきりした面持ちのゴライアスが、ボロボロになった重戦士(ヘヴィーウォーリア)用の制服を着替えている所であった。

 といっても、上半身の制服は既に形が無く、ズボンの切れ端が僅かに残るだけである。


「ゴライアス!起きていて平気なのか!?」

「フェルナンデスか?見ての通りピンピンしているさ。あのジークフリートという若者、口だけではなかったということだな。」

「だからといって、姫様を他所者に委ねてもよいのか!?まさか貴公!我等の誓いを忘れた訳ではあるまい!!」


 ゴライアスは激情を隠しきれないフェルナンデスに、まずは落ち着けと前置きし、自分の気持ちを明かした。


「俺は、全てを出し尽くした上で負けたのだ。とりあえずスッキリしているよ。だが、いくら口で説明しても、これだけは伝わらん。後は、自分自身の目で見極めるしかあるまいよ。」

「言うまでもない!!」


 フェルナンデスはそのまま去ろうとしたが、ゴライアスがその背中に、声をかけた。


「少なくとも、姫様が人を見る目は、確かだと言っておこう。それに、頭に血をのぼせたままで勝てるほど甘い相手ではない。」


 振り向いたフェルナンデスに、ゴライアスは一言づつ丁寧に言い聞かせた。


「俺の事など放っておけ。お前はお前の闘いをすればいい。その上で、お前が決めろ。」


 フェルナンデスの顔に、困惑が浮かんだ。


「決める?何をだ?」

「果たして、姫様を託すに相応しい人物かをな。」


 ムッとしたフェルナンデスに、ゴライアスが笑いかけた。


「当然、お前に負ける程度では、話にならんがな。」


 その一言で、フェルナンデスは大きく一息ついた。


「忠告、聞き入れておこう。確かに負けなければ良いだけの事であったな。それならば、先程の相手には、悪いことをしたな・・・。」


 ばつが悪そうに、フェルナンデスが目を逸らせた。


「あの闘士には、王が医療魔術師の中でも、最高の腕を持つ奴を付けるそうだ。心配はいらんぞ。」


 今度は驚きで、ゴライアスを見返したフェルナンデスであった。


「王の信頼に応えるのも、臣下の役目だと、俺は思うがね。」


 着替え終えたゴライアスは、軽くフェルナンデスの肩を叩いた。


「暇なら付き合ってくれんか?今から姫様に、敗北の詫びを入れに行かなきゃならんのだ。いつもの話術でなんとかしてくれ。」


 いつもとなんら変わらぬ好敵手(ライバル)に、フェルナンデスはやれやれと肩を竦めた。


「私は明日試合です。忙しいんですよ。そちらは自分で何とかして下さい。」


 そう言うと、フェルナンデスはさっさと立ち去って行った。

 まだ、ゴライアスが何か言っていたが、心にかかっていたモヤは、綺麗に無くなっていた。


(そう、全力で闘うのみ!それがヴィーグリーズの誇りだ!なにも迷うことは無い。)


 フェルナンデスは、ジークフリートとの闘いに向け、その闘志を燃え上がらせた。


(我が疾風の舞い。しかと見せてくれよう!!)


 第二試合は、フェルナンデスとの闘いです。

 ジークフリートちっとも出てこなかったね。

 自分でも、ビックリです。(汗)

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