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ラグナロクブレイカー  作者: 闇夜野 カラス
大闘技祭の章 急
112/211

一難去って

 ジークフリートとゴライアスの両者が共に着地し、観客達は決着の行方に息を飲んだ。

 ゴライアスはニヤリと笑った。

 ハンドアックスに確かな手応えがあったからだ。

 ジークフリートの肩口と、左足の魔導装甲(マギアームス)に亀裂が入った。


(流石と言ったところだな。躱しきれなかった。最後の一瞬で加速するとはな。)


 ジークフリートは、ゴライアスが見せた底力に感心した。

 次の瞬間、ゴライアスの意識は途切れた。

 ゆっくりと、信じられない面持ちで倒れながら、ゴライアスの獣人化が解けていった。

 武舞台(ステージ)に倒れ伏したゴライアスの肉体に、傷は一切ない。

 ジークフリートは、不殺(ころさず)の剣である、業斬剣(エゴスライサー)を見事習得したのである。


「「「「ウオオオオオオオオオオ!!!!」」」」


 観客達が、勝者を讃える。

 ジークフリートがそれに応え、炎の魔剣(グラム)(かざ)したが、攻撃の全てを躱しきれなかったことに、納得がいってなかった。

 そのとき、魔剣と化したヴィーが、ジークフリートに語りかけた。


ご主人(マスター)、気付いていないのかも知れんが、汝は魔神化しておらんのだぞ?』


 えっ?と思わず自らの手を見つめるジークフリート。

 しかし、確かに魔神化はしていない。

 予選で、ゴライアスの闘いを見て、少なくとも、魔神化の必要があると思っていたのだ。

 ジークフリートは、我知らず震えた。


(俺は、確実に強くなっている!スキーズブラズニルの上での修行の成果だ!このまま、俺はどこまでも強くなれる!今はそう思う!)


 ガルガンチュアの隣で、自分を見ているブリュンヒルデに、感謝と敬意を込め手を振り、ジークフリートは退場した。

 最も、リンドブルムは自分に向け手を振ったのだと思い込み、また顔を赤くしていたりした。

 さて、次に試合を行ったのは、フェルナンデスであった。

 この日の彼は、試合開始の前から、殺気にも似た闘気を放っていた。


「貴方も災難ですね。今の私と当たるなど、不運としか言いようがない!」


 試合開始から、二十秒ほどで決着が付いた。

 相手の選手は、全身を切り刻まれ、完全に行動不能にさせられたのだ。

 傷から流れ出た血で、武舞台(ステージ)は真っ赤に染まった。

 その闘士は、命は助かったらしいが、復帰は難しいとのことだ。

 そして、その日の最終試合、ヴェオウルフの試合は、終始相手を圧倒した一方的な試合運びとなった。

 やはり、ジークフリートの相手となるのは、この二人らしい。


(試練というには、なかなか高い壁だな。だが、前に進むしかない!)


 ジークフリートの目には、王の観覧席の後ろに飾られた、女神の封石が映っていた。

 ゲルヒルデ、彼女を復活させるには、ガルガンチュアに勝利するしかないのだ。

 その決意を新たにしたジークフリートの前に、フェルナンデスが現れた。


「まずは、おめでとうと言わせてもらいましょう。しかし、すぐに後悔することになるでしょうがね・・・。」


 そう言うだけ言うと、フェルナンデスは去って行った。


「一難去って、また一難といった所だな。」


 こうして、大会四日目は終了した。

 夏本番、そして、仕事も本番になってまいりました。

 出張の際は、投稿が出来ないので遅れましたが、ボチボチ進めて行きます。

 遅れてすみません!

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