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ラグナロクブレイカー  作者: 闇夜野 カラス
大闘技祭の章 急
110/211

半獣

 半獣人(ライカンスロープ)


 この世界では獣牙族と呼ばれる者達がいる。

 肉体の一部に、獣の特性を持つこの種族と婚姻し、子供が出来ると、その子供は、普段は人間の姿であるが、感情の高ぶりや、生命の危機に(さいな)まれると、獣牙族としての能力と姿が発現される。

 大人になるにつれ、変身能力は自らの意思で制御できるようになるのである。

 しかし、その存在は、獣牙族にとっては、血を(けが)したと忌み嫌われ、人間種族の間では、この世界における最大宗派である光の聖教会の教えによって、異端として扱われ、奴隷や、非人つまり人に在らざる者として見られるのが普通であった。

 だが、ヴィーグリーズにおいては違う。

 目の前に立つ、このゴライアスのように、正しい人格と実力があれば、一人前の人間として認められるのだ。


『さて、ここからは、この俺の全てを持ってお相手しよう!!』


 ゴライアスは再びハンドアックスを構えた。

 巨大になったその体には、小さすぎる得物であるが。

 柄の中心にある宝石が輝くと、ゴキゴキン!!と金属音が響き、ハンドアックスがゴライアスに合わせて、巨大化した。

 

「なに!?」


 驚いたジークフリートに、ゴライアスは肩を揺らしながら語った。


『我が国家が、ドゥベルグ(ドワーフ)の国、スヴェルトアールブと友好な関係にあるのは知っているだろう?これは、かの国で最も腕の立つ職人が鍛えた業物(わざもの)よ!!暴帝の牙(タイラントファング)!!その身で受けるがいい!!』


 ゴライアスが地を蹴った。


(速い!!!)


 ジークフリートは後退しつつ、その一撃を躱した。

 その瞬間!


『ゴアアアアア!!!』


 ゴライアスが、咆哮を轟かせた。

 ドン!!という空気を叩く音が響いた。


「なにっ!!?」


 ジークフリートは衝撃波に吹き飛ばされた。


咆哮撃(ハウリングアタック)、命には届かぬだろうが、牽制には充分!!』


 吹き飛ばされ、体勢の不安定なジークフリートへ、ゴライアスの暴帝の牙(タイラントファング)が迫る。


『終わりだ!!』


 振り下ろされた暴帝の牙(タイラントファング)はしかし、空を斬った。


『なっ!?』


 ゴライアスは空中を見上げた。

 そこには、炎の翼を背負ったジークフリートがいた。


「やれやれ、まさか初戦で、これを使う羽目になるとはな!」

『こちらも、出し惜しみは無しで行こうぞ!ご主人(マスター)


 魔剣となったヴィーも、(いささ)か場の雰囲気に酔っているようだ。

 だが、ジークフリートもその意見には賛成だった。

 

「じゃあ!行ってみますか!!」


 炎の翼を羽ばたかせ、ジークフリートは宙に舞う。

 炎の弾丸と化し、ジークフリートはゴライアスを中心に飛ぶ。


「地獄の修行で手に入れた力!試させてもらうぞ!!」

『小癪な!!ならば撃ち落としてくれる!!』


 ゴライアスは、咆哮撃(ハウリングアタック)を乱射する。

 しかし、飛燕と化したジークフリートには掠りもしない。


『オノレエエエエエ!!!』


 焦りと共に、吐きだした衝撃波は、虚しく虚空に消えた。

 逆に、炎の渦となったジークフリートから、炎弾が放たれる。


 ドン!!ドドン!!


 次々と炎弾が着弾し、ゴライアスの体力を奪っていく。

 だが、ゴライアスも意地である。

 半獣人の再生力を活かし、ガードを固めた。

 それを見たジークフリートは、一つあることを思いついた。


(ガルガンチュアと闘う前に、壁を一つ越えさせてもらう!!)


 ジークフリートは、闘気を集中し始めた。 

 ゴライアスさん、反撃に出るも、ジークフリートの新たな力によって追い込まれてしまいました。

 さて、ジークフリートの越えようとしている壁とは、一体なんでしょうか?

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