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ラグナロクブレイカー  作者: 闇夜野 カラス
大闘技祭の章 急
109/211

重戦士との闘い

 武舞台(ステージ)の上は、雪が積もり機動力が生かす事が出来ない戦場となっていたが、今のジークフリートには、全く障害と成らなかった。

 

「ヴィー!出番だぞ!!」

『任せよ!ご主人(マスター)!!』


 魔剣と化したヴィーの答えと共に、炎の魔剣(グラム)から凄まじい熱波が放たれた。

 一瞬にして、武舞台(ステージ)の上に在った雪が、蒸発した。


「グオッ!?」


 放射状に広がった熱波に当たったゴライアスからは、驚きの声が上がった。

 どうやら、予想以上に高温の熱波であったらしい。

 ジークフリートには当然、一切影響は無い。

 

「言っておくぞ、ゴライアス!この炎の魔剣の力、重装甲(へヴィーアーマー)とて、泥のように切り裂くぞ!!」


 そう言いながら、ジークフリートは踏み込んだ。

 ゴライアスの反応できるスピードを越えて。


赤熱刃(ヒートブレード)!!!」

 ズバッ!!!


 逆袈裟に切り上げた刃が、ゴライアスの重装甲(へヴィーアーマー)を切り裂いた。


「グッ!?」

「まだまだ行くぞ!!」


 ジークフリートの速度がさらに上がる。


「馬鹿な!フェルナンデスよりも、速さは上だというのか!?」

音速撃(ソニックラッシュ)!!」

 ズババババババン!!


 重装甲(へヴィーアーマー)が剥ぎ取られていく音が続き、最後にジークフリートはゴライアスの懐に飛び込む。


 ドゴッ!

「グアッ!!」


 ジークフリートの拳がゴライアスの腹にめり込む。

 スッと離れるジークフリート、すでに決着は付いたかに思えた。


「ま・・・まだだぜ!!」


 ゴライアスはまだ倒れていなかった。

 その闘志にも、いささかの衰えもない。

 魔導装甲(マギアームス)を纏った一撃である。

 もはや、行動自体不可能になっているはずだ。

 それなのに、未だ勝利を目指し挑んでくるのだ。


(これだから、ヴィーグリーズの戦士ってやつは・・・。)


 かつて、リンドブルムがミズガルズへ攻め込んだ時、幾度か戦ったヴィーグリーズの戦士達も、決して引かなかった。

 それゆえ、ジークフリートは、リンドブルムを名指しし、一騎討ちに持ち込み、リンドブルムを殺さずに勝利することで、撤退に追い込んでいたのだ。

 その、揺ぎ無い忠誠心と闘争心は、ジークフリートをして、何度も感心させられたものだ。

 それは、憧れに近いものであった。


「仕方ねぇ!アンタが相手じゃ出し惜しみはいけねぇってことだな!!」


 ゴライアスの叫びが、ジークフリートを現実に戻す。

 重装甲(へヴィーアーマー)を破壊された男に何があるのか、そう思ったジークフリートの前で、ゴライアスの肉体が盛り上がる。

 それと同時に、体毛が全身を覆っていく。

 顔の骨格が、音を立てて形を変え、食いしばった歯が、牙と呼べるものに変化していく。


「おいおい!まさか!!」

『そのまさかよ!!!』


 二倍以上に巨大化した肉体は、剛毛に包まれ、犬科のそれに似た顔は、まさに狼のものである。


『誇りに思え!この姿で闘うのは、貴様で三人目だ!!一人目は、我が王ガルガンチュア様!二人目はリンドブルム様の御母君ヒルデガルド様!!三人目は我が好敵手(とも)フェルナンデス!!!』


 ゆっくりと体を起こしジークフリートを見下ろすその目に、油断は一切ない。


『この姿になったからには、必勝あるのみよ!!』


 再び、闘いの火蓋は、切って落とされた。

 

 ゴライアスさん変身!!狼男の血をひく、正に獣戦士でした!!

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