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ラグナロクブレイカー  作者: 闇夜野 カラス
大闘技祭の章 破
106/211

晩餐会

 ジークフリート一行は、ガルガンチュアの居城であるスルーズヴァンガル城の正門へと辿り着いた。

 ブリュンヒルデの挑戦状発言について、カーシャが噛みつくといった事件があったが、エルルーンが何事かを囁くと、驚いてシュベルトライテを見た後、再びブリュンヒルデの方を見ると、ウソだろと呟き、大人しく付いてきた次第である。


(一体何を吹き込んだんだ、エルルーンの奴。)


 未だ怪訝そうな顔で、カーシャがシュベルトライテを眺めていたが、それはひとまず置いておき、一行は正門まで迎えに出てきていた侍従に案内され城内へ入った。

 城内は、過剰な装飾もなく、正に質実剛健を地で行くガルガンチュアらしい雰囲気を醸し出していた。

 ジークフリート達は、賓客待遇で迎えられた。

 既に来賓用の食堂の中には、各国の貴族達や、リンドブルム王女の姿もあった。

 三人の女神達は、そこでも注目の的であった。

 入場した瞬間、人々はどこの王侯貴族の者であっても、感嘆の声を上げずにはいられなかったほどだ。

 しかも、席はガルガンチュアの席に近い位置であり、地位の高いものか、身内にしか許されない席が当てられていた。


「よく来てくれたな。ブリュンヒルデ殿。連れの方々も来られるがよい。」

「招きに与り、礼を申し上げる。しかし、我が(あるじ)を差し置き、私が上座に座ることは出来ません。よろしいか、ガルガンチュア王よ?」


 ブリュンヒルデは、ジークフリートに席を譲るつもりらしい。

 その態度に、貴族達は驚き、あるいは怒りを(あらわ)にするものもいたが、ガルガンチュアは気にすることなく、それを許した。


「構わぬぞ。俺も会ってみたいと思っていた。」


 ジークフリートは、気が気ではなかったが、無理矢理気力を奮い立たせた。


「お初にお目にかかる、ガルガンチュア王。我が名はジークフリートという流浪の戦士であります。」

「ミズガルズの英雄、シグルドではなくかね?」


 その名に、他の来賓の者達は驚きと納得の表情を見せた。


「違います。我が名は紛れもなくジークフリート。それが両親より与えられた真の名です。」


 ジークフリートは、目を逸らすことなく、ガルガンチュアに応えた。

 

「なるほどな。これは失礼した。では、ジークフリート殿。リンドブルムの隣などどうかな?」

「ち、父上!?」


 リンドブルムのあわてる様子に、ガルガンチュアはクスリと笑うと、グラスを掲げ持った。


「では、そろそろ始めようか!諸君、今日は大いに飲み、食事を楽しんでくれ!では、乾杯といこうか!」


 全員が、グラスを持ち立ち上がった。

 ジークフリート達も、グラスを渡され、蜂蜜酒(エール)を注がれた。

 ガルガンチュアは、頷くと大きな声で、晩餐の始まりを宣言した。


「皆の健康を祝して!乾杯!!」

「「「「乾杯!!!!」」」」


 こうして、本選前夜の晩餐会は始まった。

 始まってしまった晩餐会。

 しかし、ブリュンヒルデは平常運転、ジークフリートは相変わらず振り回されてます。

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