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ラグナロクブレイカー  作者: 闇夜野 カラス
大闘技祭の章 破
100/211

赤と白の激突

 闘技場(コロッセオ)には場違いといっても過言ではない二人の乙女の姿に、客席は大いに沸いていた。

 その美しさは、互いに天女のようである。(片方は本当に天女であるが。)


「ようやくこの時が来たな、ブリュンヒルデ!お前との勝負、楽しみにしていたぞ!」


 ブリュンヒルデに、そう言いつつ、リンドブルムは指輪に収納してある雷鳴の斧槍(ガールブレイ)を取り出した。

 雷光が瞬時に斧槍(ハルバード)の姿をとる。


「私も楽しみにしていた!さあ、見せてみろ!そなたの可能性をな!!」


 ブリュンヒルデも正義の剣(ゼファリス)を鞘から抜き放ち、守護の盾(スヴェル)を装着した。

 そして、二人は同時に空へ武器を掲げると、神鎧甲(モノケロス)の召喚を行った。

 深紅の閃光と、純白の光が闘技場(コロッセオ)に満ちる。

 光が収まると、そこには神鎧甲(モノケロス)を纏った二人の乙女が対峙していた。

 観客達は、神話に語られた戦乙女(ワルキューレ)の姿を見出した。

 二人の戦意は、正に最高潮であった。

 ガルガンチュアは、その戦意を察し、即座に決勝開始を宣言した。


「それでは!女性部門決勝!!始めい!!!」

「ヴィーグリーズが第一王女!紅の戦姫リンドブルム!!参る!!!」

「オーディンが戦乙女(ワルキューレ)第一位!!守護の乙女ブリュンヒルデ!!受けて立つ!!」


 名乗りをあげ二人の乙女は激突した。

 神鎧甲(モノケロス)の力を開放した、リンドブルムの踏み込みは、正に閃光の域であった。


「『(いかずち)(まと)え!!雷鳴の斧槍(ガールブレイ)!!』」


 リンドブルムの鍵となる言葉(キーワード)に応え、雷鳴の斧槍(ガールブレイ)が、電刃を形成する。


「『守れ!!守護の盾(スヴェル)よ!!』」


 ブリュンヒルデもまた、守護の盾(スヴェル)の力を開放した。

 盾の表面に刻まれた文様が輝き、小さな魔法陣を形成する。

 そして、リンドブルムが振りかぶった全力の一撃が、リンドブルムの盾に吸い込まれていった。


 ガッコオオオオオオオオオオオオオオオン!!!


 大地を揺るがせるような大音響が、観客の鼓膜を震わせた。

 

「「「「ウオオオオ!?」」」」


 開始早々の決着かと、視線が集まる中、リンドブルムは、盾の下でブリュンヒルデが笑っているのを感じた。

 瞬間、リンドブルムは跳び退った。

 リンドブルムの胴があった部分を、正義の剣(ゼファリス)が薙いで行った。


「なにぃ!?」


 電刃の効果によって、既に行動不能になっていると思っていたブリュンヒルデの反撃に、リンドブルムが反応できたのは、唯の勘であった。


「良い反応だ!だがまだ甘いぞ!!」

「くうっ!!」


 ブリュンヒルデが踏み込み、正義の剣(ゼファリス)を振るった。

 ガッキと交差した武器を間に、二人は言葉を交わした。


「我が電刃を受けて、ピンピンしているとは、驚いたぞ!ブリュンヒルデ!」

守護の盾(スヴェル)の力だよ!この盾には、『あらゆるものを(はば)む』という真言が刻まれているのだよ!」

神宝具(オーパーツ)だというのか!?私の雷鳴の斧槍(ガールブレイ)の力を抑え込むだけの力、そうとしか思えん!」

「その通りだ!!」


 再び、二人は離れると、闘いは再開された。


 遂に始まった決勝戦、ブリュンヒルデとリンドブルムの熱い闘いが、闘技場を振わせます。

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