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めんたりんぐ!!  作者: 星田 憩
ほぼ男子校生活【高1】
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雛鳥

許すって。何のために許すかって、自分のためなんだよ。と、母。


仲の良い友人と喧嘩したときの言葉でした。私は怒っていたけれど、本気で嫌いになった訳ではないし、また2人ともアホなことして笑いあえるってわかっていたからこそ、何となく許し難かったときがありました。


何にでも頭を突っ込んで、楽しくやって、ときに背負い込んで、たまに落ち込んで。そんな友人です。友人といっても色んな人がいるので、ここでは三郎と名付けておきます。

三郎は私が部活でフリーズしたときも助けてくれて。たまに言葉をオブラートに包まずにすとーんと言うので、誤解を生んだり傷つけられたり。反対に私も傷つけたりしているとも思います。それでも八つ当たりしても軽くあしらってくれて、成績底辺の私に勉強教えてくれたり(半分くらい理解できてない)、とてもいい人です。今日はそんな三郎が生徒会立候補すると言い出したお話です。はい、今日言われました。


三郎は部活を掛け持ちしてて、学級委員的な役もしてて、その上での生徒会立候補だったので私は全力で止めにかかりました。文化祭のときの仕事で疲弊した彼を見たことがあったので、ただ単に心配でした。無理しないから大丈夫だ! と笑っていましたが、無理することも知っていました。ほんの少しだけ、頼れる人が離れてしまうことも不安だったのかもしれません。そんな口論の中に、トロンボーンの同じクラスの人が入ってきてくれて。


「僕は三郎がやりたいって思うならそれでいいと思うよ。でもね、星田みたいに心配してくれる人がいることも念頭に置いておいてほしい。三郎は背負いこみ過ぎるところがあるから。星田は心配し過ぎ。星田も三郎みたいに背負いこむところがある。君は人にお人好し過ぎるところがあるよ?」


……2人とも黙りました。


私が中三のときに同じ部活の人から言われたことそのまんまやなぁと思い、すごいなぁとぼんやり。帰り道に三郎が荷物取りに行ってる間、少しその人と話して。


「……雛鳥をさ」


……雛鳥を送り出す、親の気持ちってこんななのかな。と、トロンボーンの人に訊いたら笑ってくれました。

中学の時に、半ば脅しも混ざったような言い方で生徒会に入らざるを得なかった時、必死に止めてくれた同じパートの人がいました。部長やるってことになった時も。その人とは中学期の半分くらい犬猿の仲で散々なことをお互いしてきましたが……何で心配してくれたのかが、今になってわかったような気がします。


そしたらきっと、うちの親もそんななのかなぁ。


ぼやいてたら三郎も戻ってきて。トロンボーンの人と何となく笑い合いながら「三郎ちょっとだまっててー」なんて言ったら、いつもはマシンガントークの三郎が口をもごもごさせながら一生懸命だまってて。二人で鳥さんだねぇ、なんてよくわからんことを言ったり。最終的に三人で吹き出して笑い合いました。


乗り換えの駅でとんかつサンド片手に、やるならちゃんとやれよ?———応援してるよ、なんて。

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