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めんたりんぐ!!  作者: 星田 憩
机の上に伏せて【中3】
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郷愁

正すとか。直すとか、治すとか。異常とか、正常とか。


おかしい、とか。


そんな言葉があまり好きじゃない。


私が一番知ってる生き方も、私ができる生き方も、私一人分しか解らない。

その生き方に、経て生産され続けている私に対して、「異常なんだよ」って言われても、そんなの知らないよーんって思う。


普通に過ごせるところは過ごしてるし、勉強も運動も人並みにはできる。

自分で言うのもなんだけど、そこそこに明るい人間だとも思う。


フリーズする前までは。


状況を伝える言葉が、多すぎて溢れてどれを選べばいいのかわからないときも、なんにも浮かばなくて空っぽになるときもある。

それを周りに「不機嫌」とか「テンション低い」と思うらしい。動きも反応もしなくなるから。


そうだなぁとも、そうなのかなぁとも思う。


今日、元顧問の授業中に嫌なことをたくさん思い出してしまった。

「なんで私は全てを失ったのに、あなたは何も失ってないの?」なんて、某ドラマの台詞が浮かんできた。

いくら綺麗事を並べたって、私がこの症状の私と一生付き合っていかなくちゃいけないのは事実だし、それが言い方悪くすればハンデであるようにも思えてしまう。


でも、あの人は? なにか傷を負った?


知らないし、知りたくもない。また新しいターゲットを見つけて楽しくやってるんじゃないだろうか。

……絞れば悪態はいくらでも出てくるけれど。


一つだけ、心に決めていることがある。


卒業式で、吹奏楽部の演奏席に礼をすること。練習のときもリハーサルのときも、吹部関連がいるときはしないで。

どんなに辛い練習を、どんなに苦しい精神状態を、どんなに楽しい舞台を、後輩たちが乗り越えてきたのかを私はもう知らない。


ただ、卒業証書を貰って保護者席に礼をして、少し歩いて。


深々と頭を下げて、顔を上げた私が笑顔だったとき、


彼らは何を思うのだろう。

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