滲む
先日、競書会なるものがありました。
三学年全員が体育館で書き初めをするという趣旨のものでした。
先生達も粋なことするなぁ、と思いつつ。私は習字が大の苦手です。文字が滲みます。毛虫のように。
隣の子がすごく上手なのでコツを教えてもらったりしながら、ふと前を見ると奥の方に顧問の先生がいました。
私のクラスは1番後ろだったので顧問の先生と女子生徒のやりとりを眺めて色々思い出してしまいました。
ざっくりいうと生徒との距離感が他の先生と違う人だったんです。
あの生徒と話して何考えてるのかな、とか。他の先生もそんなこと考えてるのかな、とか。怒濤に込み上げてくるものが身体を強張らせました。
五枚ノルマだったのですが、三枚ぐらいで力尽きて。家帰って母に相談して、お互い感情的になってまた喧嘩になって。
翌日ノルマを達成したか確認されるとのことで夜中に泣きながら仕上げて。希望を謳う習字の言葉も皮肉でしかありませんでした。
「明日、学校行かなきゃだめ?」
行ける気がしなかった。いま寝室に行くだけでも苦しいのに。
あの沢山の人の中で1日を過ごせる気がしなかった。その人達の前でフリーズすることなんてできない。
そのときの私は、ただ、唇を噛むことしかできませんでした。




