表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
外に出てやりたい事  作者: リーリーリー


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

1/1

近藤丈二

四国にある主に初犯などを収容する刑務所である松山刑務所にて刑務作業に勤しんでいた。

罪状は元嫁、警官に対する暴行により服役していた。

通常ならば執行猶予がつくところだが、連行される際に警察官に対して抵抗した際に怪我をさせてしまいそれが暴行、公務執行妨害に該当し初犯にも関わらず懲役刑が決定し、服役することが決まった。


服役後は思ったよりキツくはなかった。

初犯ということもあり近いうちに社会復帰する為に刑務官による横暴な暴力などもなく、淡々と刑務作業を行なっている。


夕食の際隣の男からサラダとデザートを強奪され、なんだこいつと思いながらもそこまで好きではないもののために事を荒立てなくないよう無視をしていたが、逆に主食の豚肉の生姜焼きを渡された。

不審がった目で見ると『俺は肉を食わないんだ、ウィンウィンだろ?』とこちらの意思を無視してサラダを食べ始めた。

『肉を食わねえと体力持ちませんよ』

『昔からそういう食生活だから慣れてるよ』

『ヴィーガンなんですか?』

そこまで興味はなかったが多少の会話なら刑務官も見逃してくれる為久しぶりの中身のないテキトーな会話をしながら食事を続けることにした。

『ヴィーガンではない。ベジタリアンだ』

今度は体をこちらに傾けながら答えてきた。

『ヴィーガンていう連中は自分の主義を人に押し付ける面倒な連中だ。俺は体質的に肉類を受け付けないベジタリアンだ。一緒にするなよ』

ヴィーガンと同じような扱いを受けるのは嫌なのかそれだけはっきり言うと食事に戻った。

まるで元プロレスラーの佐々木健介のような刑務官が怒鳴りながらこちらに向かってくるのが見えた。

油断した。大体の刑務官は多少の会話なら見逃してくれるがこいつは違ったのだった。

『お前さっきからうるせえぞ。今日はこれで終わりだ』

そう言いながらまだ半分以上残っている食器を取り上げた。

私の声も聞こえていたはずだが横の男だけが注意を受けたことに安堵しながらも、何故なのかは大体の予想はついた。


以前昼休憩中に横の男[芹沢恭二]と話したことがあるが、私より前から刑務所にいる為先輩ヅラして入所した理由を聞いてきたことがある。

その時はざっくりと説明したが書き終わるのを待たずに自分の入所した罪状を嬉々として話し始めた。

幼児への性的暴行の様子をまるで武勇伝かの様にだらだらと話し始めた。

私は幼稚園に通っていた自分の娘を思い出しながら怒りを抑えながら話を聞き続けた。

以前から山下組の組員ではないがその配下の半グレとしていかに悪さをやっていたかと吹聴していた為、出来るだけ揉め事を起こしたくなかった為テキトーに会話を続けたことがある。


やはり刑務所といえど性犯罪者には誰もが軽蔑した目線を送るがこの刑務官以外はビビって手を出せないのである。


緑川の食器を下げたのち私に一瞥をくれプロレスラーのような刑務官は去っていった。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ