表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
絶望のキッズ携帯  作者: 白瀬隆
キッズ長崎に来る!
5/30

歯医者さん

町の歯医者さんに勤めることになった俺は、郊外の焼肉屋さんというアットホームな空間で歓迎会を開かれた。自己紹介を早々に済ませると、衛生士さんや歯科助手の皆さんもそれぞれ名前を教えてくれた。和やかなパーティーだ。ジャイアンもスネ夫GDもいない。やはり町の歯医者さんには穏やかな空気が流れている。サバンナとは違う。


一同に酔いが回り、会話も弾んでいる。俺が六杯目の生ビールを頼むと嬌声まで上がった。俺の出身大学は長崎大学で、九州だ。酒は死ぬほど飲んできた。そんな俺にとって、こんな酒はオロナミンCだ。顔色一つ変えず会話に小粋なジョークで華を咲かせた。しかし、誰もが心地良く過ごしている中、最初に気分を害したのは俺だ。


対面に座っている妙齢の衛生士のつま先がやけに俺の足に当たる。顔を見ると目が合った。当然俺は察した。既成事実作成キャンペーンの始まりだ。俺の数少ない自慢だが、俺は大学時代だけで人に話せない数の女を落としてきたジゴロだ。スネイクと呼んでほしい。そんなスネイクが妙齢の女性を相手にすると思われたことが癪に障る。呆れていると、隣にいる歯科助手の女からのボディタッチも増えてきた。ananズ。この手の浅はかな連中は夜のテクニックがない上に手を出すと面倒臭い。嫌気がさし、ブラックジョークも混じえながら、ウブな俺というキャラクターをやめることにした。


まずこれまでに付き合った恋人の数を聞かれた。正直に三人と答えた。ananズが獲物を仕留められると確信したかのように目を輝かせる。院長まで興味を示し始めた。次に聞かれたのは経験人数。場が賑やかになってきたので正直に答えた。

「300は超えたと思いますが…」

やはり人には話せない数だったらしい。焼肉屋の火がすべて消えたんじゃないだろうか。肉も冷めたようだった。しかしとにかく、ananズは退治できた。


翌日以降、全てのスタッフからの無視が続いた。アシスタントもしてくれない。こんな人間関係の中で二度目の俺の歯医者ライフが始まった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ