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秋の文芸2025

オムレツの作り方

作者: アンティグアバーブーダ出身のマティス
掲載日:2025/10/08

友だちと料理

今日はタバタの家に来た。

料理を教えてくれるらしい。

ありがとう、タバタ。


「オムレツ作ろっか」


「ムズそう」


「たまご割って?」


「はい」


たまごを両手で割る。ぐしゃ。


「だめじゃん」


「だめだわ」


「かしてみ?」


ボウルを奪われた。タバタは片手で平らなとこでたまごにヒビを入れた。

そして片手で、小指と薬指側と、人差し指と中指側に力を分散させている。


せん断をかけるイメージ、つまりたまごの殻が上下でねじれていく。


「おお」


「じゃ混ぜて」


「はい」


手動で混ぜる。泡だて器みたいなやつ。マラカスっぽい。遊んでるとタバタに睨まれる。泡だて器をボウルに突っ込む。


「たまごって切るようにすんのよ」


「こう?」


「違う、こう」


「こう?」


「あー。それでいいや」


タバタはフライパンを熱する。

それをボケーッと眺める。


タバタは油をひく。

菜箸で丸めたキッチンペーパーに含まれた油を塗り拡げていく。

それをボケーッと眺める。


「やる?」


「やろうと思ったけど終わったよね?」


「これはね、でもほらやりなよ」


フライパンを預けられた。

そこにたまごを流し込んでいく。じゅう。


「チーズ入れる?」


「どっちでもいい」


「どっちでもいいは一番ダメなヤツ」


「要らないっす」


半分に分けたたまごの残りにタバタはチーズをどっさり入れた。


「ねえ、焦げてる」


「じゃ火を弱めればいいじゃん」


「自分でやれと?」


「だって分かるじゃん」


タバタにフライパンをパスする。フライパンをコンロから遠ざける。なるほど火はそのままでも距離で。


「皿」


「ほい」


「ケチャップ」


「ほい」


キャベツの千切りの横にオムレツをのせる。

そこはタバタが担当。


オムレツにケチャップをでニコちゃんマークを描く。

それもタバタ担当。


「いや、やれよ」


「もういいかなって」


「なにもしてないじゃん」


「料理って大変だね」


フォークを棚から出してふたりで「いただきます」と合掌。


「チーズって合う?」


「うん。ふつーに」


「苦手なんだよね」


「じゃ聞くなよ」


友だちとつくると美味しい。

これなら手作りも悪くないな。


「次はなにやりたい?」


「そうだなあ。ビーフシチュー」


「ブーケガルニって知ってる?」


「なにそれ」


「まずはそこからだな」


タバタが良く分からんことを言うけど、楽しそう。

前回ハンバーグにパン粉入れ忘れたから、タバタも勉強してるんだろうな。




(了)

ポーチドエッグでも良かったけど、お湯沸かすのダルかった

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