古代文明の謎
シュン……
「これで最後か」
戻る前に出来る限りの町の人をダンジョンに吸収したんだ。今は無理だが落ち着いたらキチンとした墓を立てようと思う。
2030DP→2368DP
「みんな揃っているな? では瓶底くんより報告があるので静聴するように」
会長からバトンを渡された瓶底がコアルームの壁に地図を張り出し、日記を開いて話し出す。地図と日記は俺が回収してきた物だ。
「此度の探索により現在地が明らかになったデス。外の町はライジングバレーという名前で、地図で言うこの場所になるデス」
瓶底の持つ教鞭が地図の1ヵ所を指す。異世界語でライジングバレーと書かれており、東と西は人力では登れない絶壁で挟まれている形だ。南側には鉱山への道が続いており、北側にある川はしばらく進めば海へと出るらしい。
「次に日記を紐解くデス。書き記した人物は他所からやって来たトルネオという名の研究者らしく、何かを探しにこの町に来たみたいデスね。順を追って読んでみるデス」
俺自身もチラッとしか見てないんだ。お宝でも探しに来たか? ちょっとだけワクワクするな。
「ここに着くまで1ヶ月半か。随分と遠くへ来たものだ。行き交う町の人たちに軽く挨拶をし、領主様の許可をもらいに邸へ向かうことに。幸い領主様は快く承諾され、発見したアイテムは持ち帰っても良いとまで言って下さった。明日から本格的に捜索するとしよう」
文章から察するに町の中を捜索するという事だろうか? しかし文句の1つも言わないとか善良な領主様じゃないの。
でもってアイテムを探していると。レアアイテムみないなものか?
「手始めに住人への聞き込みを行った。若者の多くは首を傾げるばかりだったが、そこは折り込み済み。お年寄りなら知っているのではと思い尋ねてみると、さっそくビンゴ。失われた古代文明について、丁寧に文献を持ち出してまで教えてくれた」
古代文明か。昔テレビのドキュメンタリー番組で見た記憶があるな。今よりも発展した文明があったとか言ってたっけ。実際はどうだか知らないけどな。
「ここに来て3日目、町の人たちへの聞き込みは粗方終わった。が、さっそく行き詰まってしまった。町の人たちが知っている事の多くは既に出回っている情報だからだ。共通するのは理解不能で強力なマジックアイテムがかつて存在したこと。その話なら既に知っているのだが……。やれやれ、やはり簡単には明かせないようだ。どうでもいいが、隣の倉庫に出入りしている青年から射るような視線を向けられることがある。あまり歓迎されてないらしい。揉め事を起こさないためにも、なるべく関わらないようにしよう」
隣の倉に出入り……つまりソイツがダンジョンマスターだったわけだ。もしかしたらあのクソダンマスも古代文明とやらに関わってるのかもな。
「ここに来て一週間。何の成果もない毎日だったが、ついに新たな進展を迎えた。町の北側にある桟橋にハッキリとした痕跡が残されていたのだ。桟橋に繋いでいる小舟はどれも同じ大きさのはずなのに、1ヵ所だけズバ抜けたスペースが明いてるではないか。しかもその舟には専用の名前があったらしく、町の人たちは次のように呼んでいたという。その名も――」
「――緑川雫」
「「「え!?」」」
どうなってんだ!? なぜ緑川の名前が!
いや待てよ? 確かこの日記って……
「それ、あたしが書いたやつ~。異世界語を試しに書いてみたんだ~。ちゃ~んと読めるでしょ~?」
「「「紛らわしいわ!」」」
緑川以外の全員がズッコケる。瓶底が咳払いをし、ズレた眼鏡をかけ直して続きに入る。
「……コホン。その名はクルーザーと呼ばれており、小舟よりも遥かに速いスピードを出せるのだという。それにしても隣の青年は相変わらずだ。倉庫を調べさせてもらった時も監視するかのような視線を向けてくるし、ボクとしてもちょっと関わり難い。それともボクの気にし過ぎなのだろうか?」
おいおい、出たよクルーザー。この古代文明ってひょっとしたらひょっとするぞ。
「今日は外を探索する予定だったが周辺の霧が濃く、探索を断念して自室に籠ることに。こういう日は山に登ると道に迷うし、海に出るなんてもっての他だ。しかも濃い霧に覆われた日は幽霊船が出るとかで、余程の理由がない限りは海に出ようなんて住人は居ないんだとか。幽霊船ね、少し気にはなるが今ボクが求めてるものではない」
へ~ぇ。古代文明以外にも幽霊船が出るのか。やっぱスケルトンな奴らが乗ってんのかねぇ。
「ここに来て二週間、つい古代人の住んでいた場所が明らかになった。なんと驚いた事に領主様が住んでいる邸の地下牢だというのだ。これは古代人である本人の希望であったらしく、いざという時に罪人としてカモフラージュためだったという。なぜ偽装する必要があったのか、それは圧倒的な技術力が争いの火種になると考えたからではないかとボクは思う」
よく分からんけど存在は伏せて置きたかったと。和人や加瀬なら堂々と自慢しそうだけどな。
「ここに来て1ヶ月が経とうとしている。やはりボクが思った通り、突出した技術力は権力者たちから狙われるというものだ。当時独立を保っていたこの町に向け、複数の国が軍を差し向ける事態に発展したらしい。但し護りやすい地形のため、ここに来るまでの段階で各国が潰し合うことになったのは幸いと言える。多くは舌打ちをしつつ諦めたものの最後まで諦めなかった国は、川と山の二方向による挟撃作戦に出たらしい」
なんかピンチっぽいぞ? 古代人とやらは戦いには積極的じゃないっぽいし、どういう展開になるんだ?
「作戦を指揮した貴族は勝利を確信していただろうが、ここで古代文明の技術が火を吹いた。まずは川から攻めて来た軍隊に対して住人総出で上陸を阻止させる事で時間を稼ぎ、古代人は山から下って来た軍隊を単独で迎え撃ったのだ。それは見たこともない魔法のようであったと後に住人が語っている通り、数名の住人が見守る中で古代人がこう叫んだのだ――」
「――本郷虎雄、ここに参上!」
「「「は?」」」
いやいや、何で本郷が古代人になってんだよ!
って、思い返せばコイツも緑川と同じことしてたな!?
「わりぃわりぃ、異世界語ってやつでサインしたんだよ。イカスだろ?」
「「「うっせ~イカ野郎!」」」
またまた瓶底が咳払いをして続きに戻る。
「……コホン。古代人は確かに叫んだ、ガトリングファイヤーという魔法の言葉を。するとどうだ、あれだけの大軍を木端微塵にしていくではないか。そして肉片と化した敵軍を背に住人へと振り向いた古代人は、「じゃ、川の方も片付けよっか♪」と言いニッコリと微笑んだという」
ガトリング銃で一掃したのか? クルーザーがあるくらいだし、そうなんだろうな。
ビーッ! ビーッ! ビーッ!
「む? 新手の侵入者か!」
会長の顔が一気に強張る。この音は何者かがダンジョン前に現れたことを警告するアラームで、こちらも合わせて臨戦態勢を取るようにするためのものだ。
四六時中監視するのは難しいからな、やっぱリラックスできる時間は必要だろう。
「ここはワイと瓶底に任せせとき」
「デスね。キッチリと殲滅してみせるデスよ」
★★★★★
「遅い……遅過ぎる……」
「ザ、ザットさん」
「いつまで待たせんだチキショーがぁ!」
「ひっ!?」
ちょいと取り乱しちまったが、俺様は盗賊団ハングリーズの幹部ザット。首領の片腕と言っても過言じゃない存在だ。団の中で俺に勝てる奴ぁいねぇ、世界広しと言えど2本持ちの斧使いは俺だけだろうからな。
「……で、ボレガーの野郎共は何やってやがんだ? とっくに集合時間は過ぎてるってのによぉ」
「よ、様子を見に下っ端を向かわせました。もうすぐ戻ると思うですが……」
ケッ、おおかた略奪した金品を前に我を忘れてるに違ぇねぇ。あの野郎、小者のくせに欲だけは人並み以上だからな。
「た、大変でさぁ!」
下っ端が戻って来たか。けど妙に慌ててやがんなぁ?
「何があった? さっさと言いやがれ!」
「へ、へぃ! 北の方にボレガーさんの姿が見当たらないんでさぁ! 団員もまとめて居なくなってやして。いや、それどころか住人の姿すら見えねぇんでさぁ!」
「あ? ボレガーはともかく、住人は残らず殺しちまったんだろうが」
「そ、そうじゃねぇんでさぁ、血の痕だけは有るんですが、死体すら無くなってやがんでさぁ!」
「……んだと?」
ボレガーの野郎が死体を抱えてトンズラした? んなバカな! 強欲なアイツが何の価値もねぇ死体を持ち逃げするはずはねぇ。
金品だけならともかく死体が無いのは気になる。何よりボレガー本人を見つけ出し、本人から聞き出すのが手っ取り早い。
「……ったくしゃ~ねぇ。ボレガーんとに行くぞ、全員ついてこい」
「けどボレガーの旦那、邸に監禁してる領主共はどうしやす?」
「ああ、そっちもあったな……」
個人的には金目の物を略奪できりゃ文句はねぇんだが、何故だかお頭は町の秘密とやらを聞き出せとご執心だ。
こんなちんけな町に秘密だぁ? 骨董品しか出やしねぇっての。
だがお頭の命令は絶対だ。吐くまで殺すなっつ~命令で仕方なく監禁してるんだ。逆に住人は皆殺しにしろとか言い出すし、相変わらず頭の考える事はよく分からんね。
「つっても俺はボレガーと合流しなきゃならねぇし、口を割らねぇ領主といつまでも遊んでるわけにもいかねぇ。最低限の見張りを残してボレガーんとこに行くぞ」
「「「へぃ!」」」
しかしだ、俺たちがボレガーが暴れたであろう場所まで来た時、とてつもない違和感が全身を駆け巡った。
「どうなってやがる!? マジで人っ子1人居やしねぇ!」
いつもなら強奪した金品を路上に広げて酒盛りしてるあの連中がどこにも居やがらねぇんだ。
いや、それだけじゃない。町の住人も見当たらねぇ。辺りには血の痕だけがハッキリと残ってやがる。
「死体を処理した奴がいる? 間違ってもボレガーはご丁寧に埋葬する性格じゃねぇ。だとすると住人側の奴ら……」
俺の予想だが、生き残った住人がゲリラ戦を仕掛けてやがんだ。油断したボレガーはソイツらに殺られて痕跡も消された、そう考えるのが妥当なとこだろう。
「ザットさん、これを……」
「ん? ――ハッ、なるほど」
住人の血がどこかへと続いてやがった。それを辿ってくと、倉庫みたいな建物の中へと運ばれたのが分かる。
「生き残りはこん中だな。おいお前ら、開けたら一気になだれ込め。相手はせいぜい数人だ、数で物言わせろ!」
「「「へぃ!」」」
ドガッ!
扉を蹴り開け、そのままの勢いで斬りけかる。容赦はしねぇ、全員皆殺しに――
「あ? 誰も居ねぇだと!?」
中はもぬけの殻だった。隅に積まれてる樽や木箱を覗いたが、ネズミ1匹居やしねぇ。
まさか既に逃げやがったか? 紛らわしい痕跡残しやがって! ……ん?
「……いや、違うな」
「ザットの旦那?」
「見ろ、血の痕が続いてやがる」
倉庫の奥、少し手前で3つに分かれて壁に吸い込まれるように消えてるみてぇだ。
「この壁……扉のようにも見えますぜ!」
「ああ。それがご丁寧に3つ並んでるときた」
3つのうち正解は1つ。残り2つは偽物で、罠があるに違いない。ゲリラ戦でよくある手口だ。安直に考えりゃ真ん中が正解だが……
「お前とお前、左右の壁を調べろ」
「「へぃ」」
真ん中は後回しにして他2つを調べさせた。俺の感が正しけりゃ……
「ザットの旦那、やっぱりでさぁ、鉄製の扉が有りやしたぜ!」
「こっちも有りやした、さっそく中に――」
バヂィン!
「「――グゲェ!」」
「「「なっ!?」」」
扉を潜ろうとした2人が身を乗り出した直後、強制的に扉が閉じやがった! 胴体は真っ二つ、ほぼ即死だろう。
だが見ていて気付いた事もある。
「こりゃ人力のトラップじゃねぇな。魔法士か何かがバックに付いてやがんだろう」
「ど、どうしやすか、ザットの旦那?」
「…………」
魔法に絶対的な自信があるなら堂々と前に出てくるだろう。だが相手は安全な場所からトラップを使っての籠城。そこまでの余裕は無いと見た。
「探索続行だ。こん中にボレガーの野郎も居やがるに違いねぇ。行くぜお前ら!」
「「「へぃ!」」」
――とは言ったがボレガーは既に死んでるだろう。あの野郎のことだ、お宝に目が眩んで罠に掛かったに違いない。
けど俺は違うぜ? 所属してた傭兵団が壊滅しちまったから仕方なく盗賊やってるだけだ。俺の本職はこの2つの斧を振るう事よ。殺れるもんなら殺ってみろってんだ!
ガコン!
「ひぇ~~~!」
「お、落とし穴だと!?」
団員の1人が落とし穴に吸い込まれるように落ちていく。てっきり火魔法やら地魔法で黙らせてくると思ってたんだがな、まるでダンジョンみたいな事をしやがる。
「おいお前、トラップ解除はできるな?」
「へぃ、やってみます!」
数が多いと言っても下らん罠で団員を削るのは惜しい。時間は掛かるが1つ1つ確実に解除してくぜ。
「解除しやしたぜ。落とし穴は全部で3つ、なぜか1つだけ落とし穴に見せた普通の地面も有りやしたが」
「偽装か? 牽制のつもりだろうが……」
生憎とチャチなトラップに掛かるほどザット様は落ちぶれちゃいねぇ。
「まぁいい。先に進むぞ」
しかしこの時、俺は完全に油断しきっていた。
ガコガコガコン!
「えっ? ――ぬわぁぁぁ!」
「ひぃぃぃぃぃぃ!」
「おおおお助け~~~!」
落とし穴の上を通過した時だ、解除したはずの落とし穴が開きやがったんだ! お陰で10人以上が落とし穴に吸い込まれてちまった! 落下を免れた団員は落とし穴を飛び越え合流を果たす。
「ザットの旦那、大丈夫ですかい!?」
「ああ、なんとかな」
ホントはかなりヤバかったがな。横にいた奴を引き倒した反動で飛び越えたんだ。
横の奴? 落ちたに決まってんだろ。どうせ雑魚なんだし、最後くらいは役立ってもらわないとなぁ。
「だが解除したトラップが即座に機能し出したのは気になるな。おい、もうイッペン解除しろ」
「へぃ」
「解除したら掛かった振りをしろ」
「分かりやした」
ガコン!
「フン、やっぱりか」
解除しても無駄ってわけだ。只の魔法士にそんな能力が? あり得ねぇ、そんな凄腕の魔法士なら宮廷魔術師としてどっかの国に飼われるだろう。
つまりこのトラップは魔法士のものじゃないって事だ。可能性があるとすりゃ……
「ダンジョンマスターだな」
「え?」
「ここはダンジョン。つまり俺たちはダンマスによって誘き寄せられたんだ」
どうせ最深部で胡座かきながら俺たちを見てやがんだろう。良い趣味してやがる。
だが生憎だったな。俺は相手が誰であろうと退いたりはしねぇ、最後まで全ツッパよ。
ゴゴゴゴゴ……
「ん? この音は……」
「旦那ぁ、落下天井でさぁ!」
さっそく次の罠が来たか。透かさず駆け出そうとした俺だが、何もないはずの空間に光が反射した気がして足を止める。
普段なら気にしない些細な違和感、だからこそ俺は感に従い、手前に引き返す選択を取った。
これは生存本能に近い。自分に危機が迫った場合、普段は感じる事のないものまで感じ取るようになる。結果この本能が正しかったと証明するまでに時間は掛からなかった。
「と、通れない!? 何故だ!」
「クソッ、見えない壁が邪魔しやがる!」
「なんだよこれ!? いったいどうな――ぎゃはぁぁぁ!」
「グエェェェェェェ!?」
「ダ、ダズゲ――フゴォォォ!」
チッ、やってくれる。通れるように見せかけた行き止まりとはな。
「旦那、階段が!」
「ああ、こっちが正解らしい。進むぞ」
「「「へぃ!」」」
落下天井の上に階段。それに登って進んで行くと通路の反対側へと着地できた。
「よ~く見りゃ透明に近い壁も見える。しかも相当硬いときた」
お陰で30以上いた団員が10人以下にまで減らされちまった。俺がこの有り様ならボレガーの野郎はもっと悲惨だっただろう。
「……で、こんどは何だ、分かれ道か?」
「へぃ、見たところ左側に壁弓の罠が仕掛けられてまさぁ」
「だったら右に進むぞ」
――が、この判断が致命傷を負うことになるのを直後に理解する羽目に。
カチッ!
「すすす、すいやせん、何か踏んじまいやした!」
「チッ、バカヤロウ! 足元くらい注意しろってん――」
「「キシャァァァァァァ!」」
「「「!?」」」
カオスセンチピードだと!? しかも前後を挟むように出て来やがった! こんな狭い通路じゃ囲むことさえ出来やしねぇ!
「ひぃぃぃ!」
「ええぃどけッ! 正面突破だ!」
後ろを気にしてる余裕はねぇ。だからこそ前の1体だけに集中するんだ。なぁに、この程度の魔物ならタイマンじゃ負けねぇ。
シュゥゥゥゥゥゥ!
「おっと危ねぇ。巻きつかれたら一貫の終わりだからな、やらせはしねぇさ」
そう、コイツの習性は相手に巻きつくか飛び付くかの二通り。特に飛び付いて来ようとした時が最大のチャンスだ。
「キシャシャーーーッ!」
「よし来た!」
その飛び付きを待っていたんだ。
何とか壁すれすれに避けて後ろに回り込めた。そうすりゃ隙だらけの背中を――
シュゥゥゥゥゥゥ!
「何っ!? ――ぐわぁぁぁぁぁぁ!」
バカな、後ろにいる俺に巻き付いてきやがっただと!? まさか後ろにも目が有るってのか!?
いや、そんなはずはねぇ、コイツの視野は狭い、後ろに居れば気付かれないん――
「ぐげぇぇぇ……ぇ……ぇ」
な、なのに……なぜ……
その答えを俺が知ることはなく、つまらん死に方で生涯を終える羽目になった。
『ほれ見ぃ、やっぱ隙を見せてからのカウンターは最強なんやて』
『マジかよ、凄ぇな加瀬!』
リーダーが死んだことで侵入者は総崩れを起こした。ある者はヤケクソで突っ込み、またある者は逃げようとして捕食され、瞬く間に全滅した。
『素晴らしいね。進むも退くも滝川といったところかな?』
『また安土が妙なこと言ってる』
『ええんやで』ニッコリ
ってなわけで、今回も防衛戦は成功っと。
「おぅ、本郷だ。今回は俺が担当するぜ。せっかくだしこの場を借りて言うんだけどよぉ、こう見えても俺は1匹狼なんだ。誰ともつるまねぇ性格よ。あ? クラスメイトは大事だろって? 当たり前だろうが! 俺も死ぬつもりはねぇし、アイツらだって死なせはしねぇ! こう見えても俺は仲間思いだかんな!」(←言ってる事が一瞬で逆転してますが……)
名前:那須要子
性別:女
年齢:15歳
誕生日:10月1日
備考:大和撫子タイプの弓道部の部長。黒髪ロングをポニーテールにして動きやすくしている。ここぞという時の集中力と命中率で必中の矢を放てるように。涙脆いところもあり、1人で映画鑑賞してはハンカチで顔を拭う姿を何度も目撃されていた。ちなみに高所恐怖症。
名前:安土桃香
性別:女
年齢:15歳
誕生日:7月22日
備考:読書好きで歴史好き、よく名言で物事を例えるのを好む。頭の回転も速く、策を巡らす時は生き生きとして見えるだろう。実は貧乳なのを気にしてるが、本人は悟られまいと必死だ。
名前:緑川雫
性別:女
年齢:15歳
誕生日:7月23日
備考:気付けば寝てる、気付けば微笑んでいる、そして気付けば背後に――という行動原理が謎の女子。ネットの影響で会話の節々にwを生やす事が多い。のんびりでマイペースに見えるが、怒ると男言葉が飛び出ることもあるらしい。
名前:ザット
性別:男
年齢:39歳
種族:人間
備考:元傭兵の斧使いでハングリーズの幹部。所属していた傭兵団が壊滅した後、今の首領にスカウトされた。騎士を相手にできるほど強い存在だったが加瀬の操作するカオスセンチピードはさすがに想定外。力を発揮することなく死亡した。
「しっかしよぉ、俺としちゃ拳で語りてぇんだよな。トラップでチマチマやるなんざ男のやる事じゃねぇ、そう思うだろ? だからよ……ジャーーン♪ メリケンサックを召喚してやったぜ! ああ、もちろん勝手に召喚した。お陰で晩飯の味噌汁を没収されたが知ったことか! 男は拳で語ってこそだろ!」




