作戦会議
早速次の日から父の登城に着いてきた3人はシャルティアと4人でテーブルを囲みお茶をしていた。
「まずはお互いを知って仲良くなりましょう。シャルティア様」
「そんなものどうでもいいわ。学友なんてお父様が決めた将来の部下候補でしょう?特に私なんて第三王女、国内の上級貴族か近隣国家に嫁に行くだろうしそこで関係が切れて終わりよ」
「シャルティア様は普段そんな喋り方なの?そっちの方が喋りやすくていい」
「な!?それは立場があるからお父様の前や他の貴族の前、というか人前ではちゃんとしてるのよ……いいってほんとう?」
ちょろい王女である。
「シャルでいいわよ、あなた達どうせ簡単には辞めてくれないだろうし、この際素を出せる相手として利用してあげるわ」
「ではシャル?あなたわたくしたちと一緒にこの国を面白く発展させてみる気は無いですか?この4人でしたら一層の発展をお約束できる気がします」
シャルティアはぽかんとしているがマイラとリリーは何かを察してニヤリと笑う。
傍から見ると4歳児がテーブルを囲んで話している微笑ましい光景だが。
「な、何を考えているの?」
「この国になくてはならない存在になって面白い世界にしてみましょう?」
「具体的な話をきいているの!!」
「昨日リリがもっと道具があれば、という話を覚えております?リリ、ドライヤーの絵を普通のとクシのタイプの2つこちらに描いてください。マイ、ある程度現実的な形で設計書けます?」
2人に木の板とインク、ペンを渡すアリシア。
「おっけー、コードはなくてよさそうだから形がわかる程度ね〜」
「風の魔石の安いやつで十分だからそこに火の魔石組み合わせて……」
リリーは素早く前世にあったドライヤーを描き、マイラは即席で使えそうなレベルに設計図を作る。
火の魔石と風の魔石それぞれにスイッチを付け火の魔力を無力化すれば冷風が出て風を逃がす窓を付けることで風力を調節する簡単なもの。
「このような便利な道具を作ってみたり美味しいものを広めたり……どうです?」
「なんの絵なの?魔道具なのは話で分かったし昨日の話から髪に使うことも分かったけども……」
4歳で事前知識無しにここまで分かるのも凄い。
本当に賢いのだろう。
「これはドライヤーと言って髪に暖かい風を送り素早く乾かした髪をふわっとセットしたりする道具です。使ってみたいでしょう?」
「す、凄い!!」
目を輝かせているシャルティア。
「だけどなんでそんな道具を名前を伝えるだけで2人は描けるの?」
「シャル、あなたを全力で巻き込むためにたくしたちの秘密を伝えます」
そしてアリシアは語り出した。
前世の記憶と自分たちの話を。