国王陛下と王女様
「陛下、コーディ・レイランド参上致しました」
そこは派手では無いながらも高級感のある家具で統一された会議室のような場所だった。
「うむ。公的な場所では無いから肩の力を抜くがいい。お披露目のパーティも終わってない子達を多くの人目に晒す訳にもいくまい。」
国王陛下は意外に若く、父達と同じくらいの歳であろうか。
物腰も柔らかく優しそうな雰囲気の人物であった。
「それで何があったのだ」
コーディは事のあらましを説明した。
もちろん夢の話は説明するのも信じてもらうのも難しいので、初めて同い年の友人になりうる子達と出会い感動したことにして。
「して、何故そのようにお披露目前の子達が集まることになったのだ?お前たち3人の考えることなど何となく分かるがな……」
国王もまた父親たち3人と幼い頃から既知の仲であり、何かと言い合い争っていることを知っていた。
と言うより同じように争っていた。
国王なのに。
そのあらましも説明するコーディ。
「案の定そのような事であったか……それで?どのような結果に?」
「それが色々と尋ねる前に騒ぎになってしまいまして……」
「なるほどなぁ。ふむ、子供たちよ、君たちはどんなことが得意で褒められたのか私に教えてはくれぬか?」
更に柔らかい雰囲気で国王が尋ねる。
「お初にお目にかかります国王陛下。コーディ・レイランドの娘、アリシア・レイランドと申します。まだ幼い身ではございますが広くこの国の学問を学んでおります。また魔力や領地の運営なども学んでおります」
4歳とは思えない言葉に目を張る国王や他の父たち。
「そ、そうか。将来が楽しみだな」
次に出たのはマイラ。
「ま、マイラです。物作りが好きです。そのために植物とかも勉強してます」
流石のマイラも国王を前にすると緊張するようである。
「ほう、流石宮廷技術者の娘だな。具体的にはどのようなものを作るのだ?」
「木工、金属、魔術具何でも触ってます。楽しいものと便利な物が作りたいです」
最後に前に出るリリー。
「リリー・ハンドルと申します。オシャレと美味しいものが大好きで、計算が得意です」
先程までのギャルさを感じさせない態度が少し面白い。
国王は3人の話を聞きながら確かに賢いことは理解した。
話す内容からはどの程度か分からずとも話し方から伝わる賢さ。
4歳でこれ程纏まった話をできるのは賢いに違いないと。
「どれ、私も皆に娘を自慢されるばかりでは居られないな。シャルティア来なさい」
「お呼びでしょうかお父様?」
現れたのは白金に輝く緩やかなウェーブを描く髪を持つお人形のような女の子であった。
「シャリアール王国第三王女、シャルティア・シャリアールと申します」