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社畜 集合

翌日

蓮二は朝早く起きる


「さて、運動でもするか」


支度をして外に出て人にぶつからないように気をつけながら歩道を走る

ゆっくりと走る

しばらく走っていると携帯が鳴る


「うん?」


止まって画面を見る

一鬼から電話が来ていた


「もしもし」

「鶏くん、起きてるか」

「今少し外で運動してる。それで用事は?」

「十時に私の家に集合」


(ダンジョンとか配信系の話かな?)


「分かった。十時だな」

「そう、それじゃまた十時に」


まだ十時までは時間がある

(もう少し走るか)

走って時間を潰し一度家に帰り支度をして一鬼の家に向かう

その道中で天音に出会う


「蓮二さん」

「竜胆さんおはよう」

「はい、おはようございます」


一緒に歩く


「なんの用事か聞いてます?」

「いや、十時に集合とだけダンジョンとか配信の話じゃない?」

「ですかね」

「そういえば二人は結構仲良いよね?」


最初の反応から不仲に思えたが会話を聞く限りそのような様子は無い


「特別仲良いわけじゃないですし元々不仲ではないですよ」

「そうなんだ。最初の反応を思い出して」

「あぁ、あれですね。前に言われた事を根に持ってるだけです」

「言われた事?」

「かなり前に一度コラボを頼んだ事があるんですがその時に言われた事が『君の異能は知っているがそれを含めても足手纏いになるから無理だ』と」

「獅子神さんらしいね……」


一鬼の性格からして真正面から言い切ってしまう

同業者にましてやそこまで関わっていない人物にそのような事を言われたら天音のような反応になるのもある種自然と言えよう


「実際弱いのはそうですが……もう少し言い方があったと思います」

「なので個人的に敬語無しで話してます」


天音は基本的に年上には敬語を使う

しかし、一鬼に対してはタメ口である


「まぁタメ口くらいなら獅子神さんなら気にしないからね」

「気にするタイプの人だったらそもそも三人でグループ結成は有り得ませんでしたからね」

「確かに……」


雑談をしながら向かう

家に着きチャイムを鳴らす


「はーい、おっ、二人とも来たか」


居間に通される

そしてお茶を出される


「それで何用なの?」

「今日は親睦会と行こう。菓子や飲み物はあるぞ!」


中央にお菓子の入った皿を置く


「親睦会?」

「なぜ急に」

「互いの事を知っておくと便利だろ? まぁ言いたくないなら言わなくていいから」

「確かに便利……か?」

「内容によっては雑談配信でも使えるから悪くない」

「そうだね……と言っても何を話すか。好きな食べ物とか?」

「定番だねぇ。私はみたらし団子」

「私は激辛麻婆豆腐」

「辛いの行けるんだ」

「人並みには?」

「人並みの場合激辛の選択はしないと思うが」

「そう?」

「僕はなんだろうな……カップラーメンかな」

「確かにカップラーメンは美味しい」

「それ社畜生活で楽だからとかじゃ」

「自炊する体力というかやる気が出なかったからね。纏めて買って置いて行けるし他だとコンビニの鮭おにぎりとかかな」

「分かります。美味しいですよね」

「コンビニのおにぎりやパンは手軽だからね」


社畜であった蓮二は食事の時間を短縮していた

手軽に食べられる物を多く食べていて外食や凝った食べ物は最近食べていない


「嫌いな食べ物ってあります? 特には私は無いです」

「うーん、嫌いな物はパクチーかな」

「パクチーは好き嫌いはっきり別れるからね。私も苦手だ。他は納豆やオクラが苦手だな」

「あぁ、ネバネバか」

「そそ、それがどうしてもダメなんだよな」

「パクチーは食べた事ないですね」

「まぁあんまり食べる機会って多くないからね」

「確かに……次は何聞くかあぁ、年齢と家族構成にするか。25歳、一人暮らしで父親と母親両方とも存命、兄弟は居ない」

「25歳かまぁ予想通りかな」

「どっちの方が年上です?」

「僕は23歳、僕の方が年下だね」

「まじか鶏くんの方が年上だと思ってた」


一鬼は蓮二の事を年上だと思っていた

年上でも年下でも大体タメ口なのが一鬼である


「前のダンジョンの時にも言ったけど三人兄弟の長男一番上、両親は数年前に死去、妹が居る隣の県が出身地」

「隣の県が出身地だったのか」

「内定決まった時に会社の近くに引っ越した」

「よくあの会社に入ったね」

「……求人票だけじゃ分からないんだよ」

「ええっと、次私の番ですね。まず私は16歳です、一人暮らしをしてます。そして姉が居ます。両親は生きてると思います」

「姉が居るのか。配信とかしてないのか?」

「姉は探索者ではないのでまぁ異能者ではあります」

「心配してそう」

「えぇ、よくメールをしてきます」

「兄弟が探索者って言ったら心配になるからねぇ」


二人は違和感を感じたが触れない


「好きな事は? 私は大まかに言って運動だな」

「寝る事」

「なんだろ。まぁ配信かな」

「嫌いもしくは苦手な事は? 私は堅苦しい物」

「会社、労働、サービス残業」

「即答か……苦労したんだなぁ」

「私は偉そうな人間と裏切り」


(裏切り……あの時の事かな)

最初に会った時天音は他のメンバーに見捨てられた

協力関係の相手に見捨てられたのだから裏切り行為と言えるだろう


「二人とも苦労してるな」

「僕は運が悪かったって感じだけどね」

「私は見る目が無かったですね」

「……次の質問何にするか」


重い空気になり一鬼は話題を変えようとする

親睦会は続いていく

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