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社畜 戦闘

一鬼は魔物の死角に入る

蓮二は一鬼に意識を割けないように正面から殴り掛かる

魔物も拳を振るう

炎の腕とぶつかる


「まじかよ」


最初は拮抗していたが段々と押されていき炎の腕が破壊される

直ぐにもう1つの炎の腕で殴り掛かる

魔物は炎の腕を掴む

高熱の炎で作られた炎の腕を破壊する


「ヤバっ」


鎖を破壊したことから力が強い魔物だと分かっていたが想定外

(他で攻めよう。炎の腕は無駄じゃない)

触れた部位が焼けている

少ないが確実にダメージは通っている

一点突破の風の弾丸が魔物の頭を捉える

しかし、かすり傷程度しか与えられない


「ダメージあり、これなら攻め切れる」


硬い魔物と戦ってきた

そう言った魔物は無傷が当たり前

傷が付くのは大きい

炎を放つ

魔物は回避をせずに拳を振るう

蓮二は回避をする

地面を見ると拳が叩きつけられた部分が抉れている


「こりゃ喰らえば即死だわ」

『そっち大丈夫?』


死角で潜んでいる一鬼が聞いてくる


「まだ余裕ある、問題ない。力は強いがダメージは通る」

『硬くなる訳でも無いか』

「このまま削る」

『無理はするなよ』

「わかってる」


炎を溜め始める

拳による攻撃を避けて炎を放つ

天音との距離を維持しながら戦う

大きい魔物の攻撃に巻き込まないように

天音は風の弾丸による援護をし続ける

魔物は一切回避をしない

(余裕があるか。焦らず攻める)

炎を分割して放つ

範囲が狭くなり威力は落ちるが連射出来る

蓮二の役目は前衛で相手のヘイトを引きつける事

ダメージを与える事も役目ではあるそれよりも一鬼を自由に動かす事

攻撃能力で考えれば蓮二にかなり劣る

異能は限定的な異能、形状変化の武器を持つとはいえ攻撃力は完全に武器依存

技術が高いが強敵と渡り合う程では無い


『炎は?』

「溜まった。後はいつ撃つか」

『タイミングは私に意識が向いた時』

「……了解」


一鬼が動く

潜んでいた場所から魔物へ突っ込んでいく

魔物は気付いていない

そのまま足元へ行き人間で言うアキレス腱のある部分を切り裂く

そして傷口に槍を突き刺す


「柩」


形状が変わり棘が魔物の足に突き刺さる

深手となる一撃

流石にこれは無視が出来ない魔物は一鬼を捕捉する

振り向き勢いよく拳を振るう

(遅いな)

直ぐに槍を仕舞う

異能で生み出した槍は触れている限り自在に出し入れ出来る

全力でその場を離れる

一鬼に意識が向いた魔物は槍の攻撃よりも注意すべき攻撃に気付けなかった

魔物の背中に溜めた炎をぶつける

魔物の背中が燃え上がる

火が広がる


「追加」


風で炎をより広く拡散させる

風は燃える背中を撫で炎を広げる

魔物は叫ぶ


『私は離れておく』


一鬼は炎の玉を飛ばせる短剣で攻撃をしながら距離を取る

暴れた場合近くに居たら危険

想定通り暴れ出す

地面を叩き洞窟内が揺れる

身動きが取れない程の揺れ


「動けない」

『くっそ、まだ離れ切れてないのに』

『二人は少しずつでも距離を』


蓮二と一鬼はゆっくり這いながら魔物から離れる

本当にゆっくり僅かな距離だが移動をする

暴れていた魔物は両手で勢いよく地面を叩いて砕く

魔物と三人は落下する

天音は鎖で自分と蓮二を縛り上げて落下を防ぐ

位置的に一鬼の場所が見えていなかった


「獅子神!」


天音は叫ぶ

どのくらい落ちるか分からない

ただ並の人間が落ちたら無事では済まない


『大丈夫だ、なんとか近くの壁に槍を突き立てた……まぁ今は大丈夫なだけだがな。くっそ、下が見えねぇ』


突き立てた壁が崩れないとは限らない

そして槍を持つ腕はずっとは持たない


『何処?』

『何処って聞かれても……何処だ。鶏君が少し上にいるわ』

『少し落ちた?』

『反応遅れたから少し落ちた』

「あっ、居た。竜胆さん炎見て」


炎を一鬼の居る方に伸ばす

天音は炎の線を辿って見つける

直ぐに一鬼を鎖で縛り上げる


『一先ずはこれで大丈夫ですが……どうしましょう』

『移動は?』

『遠すぎて厳しいかも』

『だよな』

『取り敢えずこっちに』


鎖を上手に扱い一鬼を合流させる


「面白い光景だな」


三人とも鎖に縛られて宙に浮いている


「見た目は面白いけど状況は面白くない……」

「魔物落ちたが……見えないな」


下を見るが真っ暗で何も見えない

炎を下に放って確認するが炎が飛んでいき見えなくなる


「確実に数階層ぶち抜いてる」

「このダンジョン怖すぎ」

「一人ずつ鎖で入口まで行けない?」

「それまで維持出来るか分からないけどやる?」

「ここでグダグダしててもどうせ落ちる」

「炎じゃ照らすくらいしか出来ない」

「私は何も出来ん」

「それじゃまずは行ってきます」

「気をつけて」


鎖で身体を引っ張ってバケツリレーのように次の鎖で縛って引っ張って次の鎖で縛ってを繰り返して入口まで移動する


「このダンジョン無理だな」

「あの魔物がダンジョンの主だとしても……どう戦えばいいんだろ」

「属性系の異能者で一斉攻撃?」


単純だが強い戦法


「押し切れるだけの出力と数が必要な」

「出力高い異能者そんな居ないんだよね。属性系は特に」

「そうなんだ」

「出力に条件が無いと高い出力は無理なのかもな。私は属性系の異能じゃないから詳しくは分からないが」


(ならなんで僕の炎は強いんだ?)

蓮二は自身の中に存在する積み重ねられた秘められた怒りを分かっていない


『一人ずつ行きます』

「それじゃ獅子神さんからお願い」

「そんじゃお先」


一人ずつ慎重に回収されていく

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