表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
55/88

社畜 硬い魔物との戦い

前衛二人が積極的に攻撃を加える

速い拳を繰り出して反撃をしてくる

速いが対応出来ない程の速度では無い

二人の攻撃の間に炎の玉と風の弾丸を叩き込む

後衛組にヘイトが向いても二人が囲みながら攻撃して妨害する


「悪いが行かせない」

「相手は私達だぞ」


槍と剣を叩きつける

前衛二人と魔物が激しい攻防を繰り広げる

避けられない拳は武器で防ぐ

一撃が重い


「重いがあれ程では無い」


4級ダンジョンの主の一撃に比べれば軽い


「この硬い装甲もいずれ削れる」

「装甲を壊すまで攻め続ける」


どんなに硬くとも衝撃を与え続ければいずれ破壊出来る

これよりも硬いであろうあのダンジョンの主の鎧も砕けた

掘り出し物の武器は特殊でかなり頑丈

(少なくとも鶏君にパスする前に装甲の一部は持っていく)

前衛を張れるメンバーの中で弱いと自負している

そして今の戦いもパーティ最高火力を誇る蓮二に繋ぐ為の物

無論無事に倒せればそれに超した事は無い

しかし、戦いは甘くない


「これは……」

「攻撃出来ないですね」

「下手に撃ったら巻き込みそう」

「かなり激しい攻防」


後衛二人は攻撃をする隙がない

下手に撃てば二人に当たるリスクある

かと言って前衛として加わるには狭過ぎる


「今は温存しておけ。まだ決定打を与えていないだろ」

「ですが」

「状況次第では最悪お前1人で前衛を張る事になる」

「それは……」

「葉一は強いが決して無敵ではない、未知の魔物最悪は想定する物だ」


強くとも二人は人間だ

致命傷を受ければ死ぬし致命傷では無くとも深い傷を受けたら戦闘続行は難しい

蓮二が今やるべきなのは炎を溜める事といつでも戦えるようにしておく事

(無理にでも前衛張るべきだったか……)


「……私の薬がある、即死でも無ければ死にはしない」


叶は死にかけた一鬼を治した薬の製造者

実際即死でも無ければ叶が居る限り薬による治療が出来る

叶は懐から複数の薬を取り出して二人に渡す


「持ってろ、これは深い傷を治せる薬だ。ただ使用時に激痛が走る。生きてさえいれば効く。基本は私が担当するがいざと言う時は使え」

「あ、ありがとうございます」

「ありがとうございます」

「好機は逃すなよ」

「はい」


炎が溜まりきる

これでいつでも打てる、その時を静かに待つ

そしてそれは戦っている二人も気付く

(熱がこちらまで来るな。炎を溜めたか)

(あれを撃つタイミングを作らないとな)

突きを繰り出した後半回転させ石突を叩きつける

その反対側から素早く剣で連続で突きを繰り出す

多少傷は付いてきたがかすり傷程度でしかない

そして傷を負ってから攻撃の手数が増えてきた

拳だけでなく足で蹴りをしてくる


「この魔物、格闘技でも習ってたのか」

「蹴りは厄介だな」

「ノーモーションで高速の蹴りとかえげつねぇ。人間離れしてるなぁ」

「人間では無いからな」

「それはそう」


人間では出来ない動きでもこの魔物には可能

二人を同時に相手取っている

(くっそ当てられない)

魔物が回避をし始めた

攻撃を食らい続けるのは危険だと理解したのだろう

攻撃が当たらなければ装甲を破壊出来ない

槍だけでなく蹴りも使って攻撃する

攻撃を当てる事に集中する

同時に攻撃を仕掛けるも防がれる

一鬼は舌打ちをして二人は距離を取る

魔物は距離を取った二人を警戒している

離れている三人は攻撃をして来ていない、今警戒すべきなのはこの二人

攻撃を構えているが警戒する程でもない

そう考えていた魔物は炎に包まれる


「ナイス鶏君」

「これでどうなるか」

「流石に効いてて欲しいが」


少しすると炎が消える

メタリックな見た目の魔物は所々が焼けて変色して僅かに形が歪んだ


「ダメージありか。良かった」

「良い攻撃です!」


(見た目だけじゃなくて本当に金属系の何かなのか?)

魔物は蓮二を見る

今の一撃で警戒度を変更した

二人よりも蓮二を危険な存在と看做したのだ


「速っ」

「ターゲットを変えたか」


地を蹴り駆ける


「拘束します。鎖よ縛って!」


四本の鎖が魔物の手足を縛り拘束する

風の弾丸をぶつける

蓮二も炎の玉を飛ばして攻撃をする

拘束を解く前に間に合った前衛二人が攻撃を叩き込む

すぐに鎖は破壊されそのまま蓮二に向かっていく

狙いは完全に蓮二


「二人は後ろに」


炎を集めて炎の腕を作り突っ込んできた魔物に殴り掛かる

魔物は危険と判断し急停止して飛び上がり攻撃を避ける

着地したタイミングで前衛二人が攻撃する


「こっちも忘れてもらったら困るな! 柩!」


穂の形が大きく変化する

穂が龍の髭のように二股に分かれて伸びる

伸びた穂は波打つような形をしている

槍を振るい叩きつける

ガキッンと音を立てる

先程の形状と違い穂の範囲が広い事で叩きつけた際に高確率で持ち手ではなく穂を当てられる

それだけでなく単純に突きも当たりやすくなっている

(形状変化の能力の槍か)


「これなら当たるよな」


突きを繰り出す

さっきまでと同じように避けると波打つ穂が当たり金属音が擦れる音を立てる

魔物は形状の変化によって避けづらくなった事に気付き大きく避ける

大きく避けた魔物に剣で斬り掛かる


「こちらも居るぞ」


大きく避ける分回避から別の行動に移るまで僅かに時間がかかる

その隙を逃さず斬り掛かる

槍の穂の範囲が広くなった分、気をつけながら槍を振るう

魔物が避けづらくなった分、味方にも当たりやすくなったのだ

そしてこの形状は通常形態よりも重く振り回しづらい

前衛二人が魔物を食い止める

魔物にとって一番警戒するべき敵は蓮二ではあるがこの二人も厄介な相手

少しずつだが確実に削れていく

蓮二は再び炎を溜める

魔物の動きが変わる

槍を拳で弾く

かなりの衝撃が槍先から伝わり体勢を崩す

(不味い)

この体勢では攻撃を防御も回避も出来ない


「天音さん!」

「鎖よ縛って!」


天音の異能が魔物を拘束する

拘束された魔物に炎の腕と剣が魔物に襲いかかる

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ