表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/6

第3話 学園のアイドル姫宮さん


 入学しから、半年の月日が経った。最初はなんでこんな高校に来てしまったんだと思っていたが慣れると案外心地良く以外にも俺は充実した学園生活を送れていた。


「おはようー、拓真ー!」


「おう、おはよう結絆。」


 この可愛らしい男の娘は中野結絆、高校でできた俺の新しい親友だ。外見も女っぽいが口調も非常に可愛らしいく、それでいて距離が近いのでコイツと接していると新たな性壁に目覚めそうで怖い。


 そして挨拶をするなり、いきなり俺の膝のうえに乗っかってきた。


「ちょ! お前なぁ」


「ふふ〜ん! ここは僕の特等席だもん!」


「はぁ……まぁ良いけど、俺が周りにそういう趣味があると思われるだろ」


 最近は毎朝コイツが俺に過度なスキンシップを取る様になったのでクラスメイトからはそっち系の人間だと思われ始めている。


 今もクラスメイトたちがジロジロこちらを見てきて居心地が悪い。


「別に良いじゃん! これが僕と拓真の友情の証なんだから」


「良くなーい」



 そんな風に結絆と楽しげに話していると、登校してきた涼と由紀が腕を組みながら近寄って来た。


「はよー、結絆、拓真……って相変わらず仲良いなお前ら」


「はよ、そういうお前らも朝からお熱いこって」


「そりゃそうよ、恋人同士は朝腕を組んで登校するのは当然じゃない。」


「お前ら学年でバカップル認定されてるからなー」


「ほんとね! 姫宮さんにも負けないくらい有名だよ?」


 その名前を聞いて一瞬動揺しかけたが悟られない様に上手く隠した。


 あれから雫とは話していない。向こうも心なしか俺を避けている様な気がしたのでこちらも下手に関わらない方が良いと判断した。


「いやいや、姫宮さんは凄すぎるだろ。もうすっかり学年のマドンナだぜ?」


 姫宮雫は容姿端麗、スタイ抜群、成績優秀と非の打ち所がない完璧清楚系美少女として学年の男女共に好かれていて、恐らく彼女の名前を知らない者はいないだろう。


 今もクラスメイトに囲まれ、彼らと楽しそうに話している。


「ほんと姫宮さん人気だよなー、俺も一度話したことあるけどとんでもなくいい人だったぞ」


「私も少しだけ話したことあるわ」

 

「いいなー……僕まだ話したことないよー、拓真は?」


「ないな」


 コイツらには俺と雫が幼馴染だったことは伝えていない。伝えれば弄られそうだし、何より彼女に迷惑だと思ったからだ。


 すると一瞬ボソッと声がきこえた。


『うそつき……」


 声がした方向に振り向くとそこにいたのは友達と楽しそうに団欒する雫だった。


「……まさかな」


「ん? どうしたの拓真?」


「いやなんでもない」


 そうだ、そんなはずない。 


 

面白いと思ったらブックマーク、星評価、感想などをいただけるととても励みになりますのでよろしくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ