閑話 クリスマス番外編
超短編です。
いつかあったかもしれないとある日のお話
今日は12月24日、つまりクリスマスイブだ。一年に一度の聖なる夜だけど、僕はサンタさんがプレゼントしてくれる日って思ってる。きっとほとんどの子供はプレゼントが貰えてケーキとかを食べる日と思ってるんじゃないだろうか。
「クリスマスプレゼント、楽しみだなぁ。サンタさんきてくれるよね」
「お前まだサンタがいるって信じてるのかよ」
今日はうちでクリスマスパーティーをする予定。そのために二人でケーキを買いに行った帰り道……なのに俊太が夢の無いことを言う。サンタを信じていて何が悪いんだ。
「あんなの親だって普通に考えたらわかるだろ」
「ちーがーうー!すぐそういう夢の無いこというよね。サンタさんはいつも僕の欲しいものちゃんとくれるんだから」
去年は切れ味が落ちてたから新しい包丁が欲しいなって思ってたらちょっと高級な切れ味抜群の包丁もらったし、その前はずっと欲しいなって思ってた星や宇宙の図鑑をもらった。誰にもこれが欲しいなんて言ってないはずだからサンタさん以外あり得ない、と僕は思っている。
「はー、掃除の時女子が朝日奈くんは他の男子と違って大人だからちゃんと掃除してる、見習って欲しい、なーんて言ってたけど、実際は誰より子供だよなぁお前」
「いいじゃん別にサンタ信じてても。兄ちゃんもお母さんもいるって言ってたもん」
「……あー、そうか。うん、俺が悪かった」
突然俊太は急に歯切れが悪そうに態度を変えた。
「完全に……啓の兄ちゃんに言いくるめられて…………」
「なんか言った?」
僕から顔を逸らして独り言をつぶやいている。
「何でもない……お前詐欺とかにひっかかるなよ……」
「え?うん、わかった……急にどしたの?」
何か変なこと言ったかな僕。なんて不思議に思っていたら頬に冷たい感触がした。空を見上げると白い雪がふわふわと降ってきていた。
「あ……雪降ってきた!」
「お、ほんとだ。さみーわけだ」
俊太が手に息をはぁーっとしてこすりながら言う。それならこれがいい。
「ほら、あったかい?」
僕は手に小さい火の玉を浮かべて俊太に近づける。
「何回言わせんだ、こんなとこで魔法出すな!」
「でもこれで寒くないでしょ」
俊太は呆れた顔で僕の手を閉じて火を消してから走り出した。
「あーもう、早く帰るぞ」
家に帰ってからはみんなでケーキ食べたり、プレゼント交換したり、一緒に遊んだり、とっても楽しかった。来年もいいクリスマスになりますように。
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啓と俊太がケーキを買いに行っている間、奏とはかせは家でパーティーの準備をしていた。
「なぁ奏、啓がまだサンタ信じてるってほんとか?」
「あぁ、子供の夢は壊すもんじゃないぞ、はかせ」
「でもなんで啓の欲しいものがわかるんだ?奏に言われたものを用意はしたけど啓からはこれが欲しいって言われてないよ」
はかせの疑問に奏はクリスマスツリーの飾りを一つ手に取り言った。
「あいつばれてないと思ってるけどクリスマスツリーの靴下の飾りに欲しいもの書いて入れてるんだよ。毎年母さんチェックしてた」
「なんだそういうシステムになってたのか」
「啓はサンタのことずっと信じてるみたいだから自分で気が付くまでは守ってやらなくちゃな」
啓の夢を壊すまいとする奏の相変わらずのブラコンっぷりに感心するはかせだった。
吸血鬼がいるんだからサンタくらいいるでしょ




