とうとうあいつがやってきた。
今までずっと知らんふりしてきて、いや無地なんで、あっしには関わりのないことなんで、と避けてきたあいつがとうとうやってきた。
柄合わせが!
シンプルなストライプでしかもパンツじゃん、何を合わせるのだ? と思うだろうが、ヨークとか持ち出しとかベルトとかポケットとか合わせるものは色々あるのだ。
敗北する将来しか見えない。
趣味だからいいけど、これが仕事だったら先輩呼び出して、これお願いしまっす俺無地の方進めておくんで案件だな。
型紙の柄合わせ用の合い印を追加する。
このストライプの白い線に合わせて裁断すれば合うはず。
お、型紙まっすぐに置くのも難しい。
無地だと型紙を多少斜めに置いても関係ないじゃん。だから今まで気づなかったけど、自然になんも考えず置くと微妙に斜めだな。
色々試したけど、メンティングテープとまち針で型紙固定するのが一番楽だな。
「わ」で裁断しろ(布地折って二枚一緒に)に切れって裁断図だけど、俺の腕だと確実の下の布がずれるので一枚一枚裁断していく。
あ、「わ」じゃないんだから型紙ひっくり返して生地の表裏を同じにせねばならんのだけど、ひっくり返さないで切ってしまった。
どっちが表だから裏だかわからん生地だからまあよろしい。
よく見ると表のがストライプの白がはっきりしてるような程度だ。
と思っていたらもっとやらかす。
生地の端をテーブルの端に合わせていたのだけど、型紙の折れ目も丁度端に!
斜めに折れていたらさすがに気づいていたと思うが、折れ目なもんだから丁度90度になってテーブルの影に隠れる。
端まで切ってから気づいたのでどうもならん。
これが他人のパンツなら服に体を合わせればいいじゃん!と糸ノコと脛肉のシチューの準備するけど、自分の足を切る訳にはいかんしなあ。
どうしよう? 生地が足りなくなっちゃったよ!
とはならない。
同じのをもう一つ買ってある。
さすが俺!
自分で自分を信用してないぜ。
ヨーク、持ち出し、ベルトと他のパーツを裁断していくと、生地が大体丁度。
そっか服地の即売会だからトップスにしろボトムスにしろ一着に必要な量は大体わかるよな。
手芸屋だと服に限らず小物だったりトートバックだったりするからどうしても計り売りになるだろうけど。
こうなると失敗したのがもったいなくなる。
仕方ない糸ノコじゃなくて、繋ぐか。
もう片方も同じとこで切ってつなげばいいさ。
それに誰も俺の足元なんて注意して見ないし。
ホームソーシングのポイントはここだよな。
着てる本人はわかるし気になるけど、他の人から見てもわからんとこは手を抜く!
もちろんそこも拘った方がクオリティはあがるだろうけど、最初は手を抜けるとこ拘るとこ分けて数こなしていった方が上達は早いと思う。
接着芯がないので今日はここまで。




