隠れ里 零章━下━
お城…と言うより要塞だった。
突如として隠れ里に現れた要塞、大きさは…山一つ分だろうか、かなり大きい部類に入る。
「ふむ、これは…」
私は、出雲翠は、そう独り言を呟いた。
零零壱
「なあ、翠。神様って何人居るんだ?」
縁側に座りながら飛翔神社の数少ない巫女の出雲朱が尋ねてきた。
「八百万の神の神と言うように、そう何人と言える数ではありませんよ。」
「ふーん…翠はなんの神様なんだ?」
…機密事項です、と誤魔化した。
「しかし、私と同じで創る神や壊す神も沢山居ますね。」
「例えば?」
「そうですね、創る神の代表と言える伊邪那美命・伊邪那岐命。彼らは国づくりの神様です。」
そして、壊す神は、
「壊す神は日本史にはありません、私の知る限りでは。ですが、須佐之男命、彼は荒ぶる神ですから、壊す神と言えば壊す神ですね。」
「そうなんだぁ…神様って沢山いるんだなぁ…」
そうですよ。と話を終わらせた。
零零弍
翌日、午前四時、いつもの時間に目を覚ました。顔を洗いスッキリさせ朝のランニング、何千何億と繰り返した習慣を始めようと外に出る。
「うーん…どうましょうか。」
そこには城と言うより要塞が現れていた。一夜にしてあらわれた要塞、[迷宮閉鎖扉]傍らにそう書かれた看板らしきものがあった。
「うぉ!?なんだこれ!」
今起きたのであろう朱が目を見開いて驚いていた。
「あたし達が寝てる間に何が…これ、翠が作ったのか?」
「私ではありません、しかしこれ程の物を作るとは。」
━第34条 許容範囲を超えて物を創る事を禁ず━
天界や地界の規則違反。
「攻略するのか?」
「はい、ルールはルール、守らないといけませんから。」
「うっし!行くか!」
朱の豪快な雄叫びが森に谺響する。
零零参
今回のオチ
私達二人組は見事迷宮を攻略した。
攻略と言っても迷宮を突き進むのではなく、’創り変える’一本道にする。創造主にとってはたまったもんじゃないだろうが、仕事だから仕方がない。
そして創造主、簡単に言えばBOSSの部屋に辿り着いた。やる事はひとつ、戦わずして勝つ。
手枷を創りこう言い放つ
「監視官だ!規則に違反した為、地獄送りの刑だ!」
私は監視の神、全てを見通す、最強最大の神様だ。
OKK
最近ラーメンにハマってる武者狂いです。
今回はですね、主人公である出雲翠はどんな神様なのか、どのような役職なのかを話しました。
次からは当時キャラクターも増えていきますのでお楽しみに。