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学園クエスト  作者: 雪村渚
5/5

4,人狼ゲーム④

投稿が何ヵ月も遅れてしまい、申し訳ございません。

また、不定期ですが投稿続けていきますので、よろしくお願い致します!

堀桜ほりさくら視点〉[私立星葉学園図書館]


私は、この本を読んで兄のように放心状態に陥ってしまった。

頭の中は、混乱しすぎていて何を考えればいいのかすらわからない。

この本には、人狼ゲームを大きく揺るがす情報が書かれていた。


『1・今回の人狼ゲームには村人はいません。全員が能力持ちです。

2・人狼が持っている麻酔銃で人を殺すことも可能です。人狼が襲う際に、誤って殺した場合は罰などは一切受けません。

3・人狼の行動時間は0時から4時までです。

4・騎士に守られていなくても、自らの力で人狼を倒すことも可能です。(詳しくは32ページまで)』


これが、1ページ2ページに書かれていた文だ。

この文が本当だとすると、人狼は人を本当に殺してもなんの罰も受けないということだ。

だから、今まで気に食わなかった相手を人狼は殺すことも可能ということ。

なんて恐ろしいゲームだろう。

こんなゲームが実在していいのだろうか。


いつのまにか、私の放心状態は治ったようだ。

兄よりかは、ダメージが少なかったのかもしれない。

兄は、未だに放心状態が治らないようで息が途切れているように見える。


「おーい、遥兄。大丈夫?いきてますかー?」


「だ、大丈夫だ。とりあえず、自我は保てる程度には落ち着いた」


遥兄は、深呼吸を大きく三回して、こちらへ向き直った。


「それにしても、人を殺せるってどんだけやばいんだよ…学園クエスト」


「そうだね。なんでフラワーさんは、あんなことをするんだろう」


「わからない。だけど、こんなことを知ったからにはみんなに伝えないとな…」


「私は、あまり人には言わない方がいいと思うなぁ。多分だけど、人狼はこのことを知っていないんじゃないかな。人を殺せる武器なんて小学生にもたせたら、警察沙汰でしょう。流石に、フラワーさんもそんな迂闊なことはしないと思う。もしも、このことを人狼が知ったら本当に人を殺しちゃうかもしれないから」


そう私がいうと、遥兄は顎に手を当ててなにかを考え始めた。


「そうだ!これ、俺たちの手でこの本を隠しちゃおうよ!そしたら、誰にもバレないし、狼たちの手にわたることもない」


「なるほど…。けど、勝手に持ち出していいのかな?フラワーはとくに何もいっていなかったけれど…」


 私は、少し不安になってしまい、遥兄に聞く。


「うーん。いいんじゃないかな?フラワーも何もいっていなかったし。大丈夫でしょ」


「そっか、じゃあこれは私が預かっておくってことでいいかな?遥兄に任せたら、絶対無くす気がするからさー」


 私は少しちゃかすつもりでいってみた。


「さーくーらー!まあ、少し思い当たることもあるから反抗できないわ…」


「ふふふ、でしょー?」

 

 そんな風に遥兄と話していると、ガラガラッと図書室のドアが開いた。


 入ってきたのは、私となかの良い柴咲真凛だ。


「あれ?桜じゃん。あと、遥のほうもいる。なにしてんの?」


 私たちは、必死に見つけた本をすぐさま机の下に隠して、愛想笑いをする。


 必死に見つけた本を、ほかの陣営かと思われる人に情報を奪われたら最悪だ。


「あ、ああ!真凛!いきなりどうしたの?」


 私は必死に取り繕って、真凛に聞く。


「え?ああ、なにか人狼ゲームに関する本とかないかなーって、思って見てさちょっときてみた」


 真凛は平然とした顔で言ってくる。  


 もともと危機感とかないタイプの子だけど、ここまでくると異常なきがする。


 私たちが違う陣営とかそういう風に思わないのかな?


「ふーん、そうなんだ。俺たちもなんだよね。良ければ一緒に探さない?」


 遥兄は、なんの躊躇もなく嘘を真凛にいう。


 人狼ゲームの本なんて、ほとんど私たちが探し切ってしまったはず。


 遥兄は何を考えているのだろう。


「んー、いいよ。ここの図書館無駄に広いからね。手分けして探そう」 



 真凛は、ズボンのポケットからメモ帳とボールペンを取り出して、サラサラとなにかを書く。


「はい、これ。探す場所の割り振り。30分後にここに集合でいい?」


 私は、真凛から受け取ったメモを見てみる。


 主に書いてあることは、場所の割り振りと集合場所。


 私の担当は3階だ。


 この学校の図書館は3階建てになっており、びっくりするほど広い。


 階や、本棚ごとに本の種類が分けられており、私が担当する3階は、主に絵本や小説が多い階になっている。


「じゃあ、30分後にここに集合ってことでね。じゃあ、私はいくから」


 真凛は私たちにメモを配り終えたら、さっさと自分の担当するところへいってしまった。


「じゃあ、俺たちもいくか」


 遥兄は、ゆっくりと立ち上がって自分の担当する階にいく。


「私もいくしかないのか…。あんまり意味がない気がするけど、いくしかないかなぁ」 


 私は、ノロノロと立ち上がってゆっくりと歩き出した。


次回は、図書館から離れ厨房での話となります。

図書館編もまた書きますので、よろしくお願い致します。

また、厨房編と図書館編はほぼ同じ時間軸設定なので、よろしくお願い致します

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