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学園クエスト  作者: 雪村渚
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1.人狼ゲーム①

羽瀬川陵はせがわりょう視点〉 [私立星葉学園小等部6年1組教室]


「ふわぁ、おはよ〜。今日も眠いわぁ」


俺は、欠伸をしながら教室に入った。

すると、周りは「陵は相変わらず眠たそうだね」と笑いながら言われた。

この学園は、小等部を卒業するまでクラス替えがない。

だから、みんな家族のようなノリで接してくる。

俺はとりあえず、自分の席に着いた。


「ね、そういえばあの噂覚えてる?学園クエスト!」


すると、同じクラスの神楽坂手鞠かぐらざかてまりが話しかけてきた。

黒髪ボブに、瞳は茶色、どこにでもいそうな日本人だが、スタイルが半端なくいい。

そのことを、鼻にかけないから男女問わず人気が高い。

そしてなぜだか、俺に構ってくる俺にとっては不思議なやつだ。

こいつのことが好きな男子も少なくないらしいが、俺にはただの鬱陶しいクラスメイトでしかない。


「ん、ああ。あのよくわからない変な噂のことだろ?ガチで、意味不明だよな。あれ、信じてるのか?」

「いや、信じてはいないよ。ただ、最近噂になってるから聞いてみただけ」

「ふーん、まぁあんなことは起こるはずもねーしな」


そう言った瞬間に、教室のドアが開いた。

入ってきたのは、ピエロ服をきた1人の少女だった。

栗色の髪の毛をくるくるに巻いて、ツインテールにしており、仮面をつけているから瞳の色はわからない。

彼女をみて一番はじめに思ったのは、やはり「怖い」といった恐怖の感情だった。

だけれど、どこかで会ったことのあるような親近感も覚えた。

周りは、このピエロがいきなり教室に入ってきたことに驚いているようだ。

俺も、正直びっくりしてしまって、椅子から転げ落ちたほどだ。

そんなことを考えていると、ピエロはいきなり大きな声を出して言った。


「レディースアンドジェントルメーン!皆さま、お待ちかね長い長い学園クエストの始まりだよぉ!」


彼女は、俺が予想していなかったことを言った。

あのデタラメだと思っていたどうでもいい噂の学園クエストの幕開けだと?

これこそ本当の意味不明だ。

とりあえず周りを見てみると、みんなは足をガクガクさせて震えていたり、「これは嘘だこれは嘘だ…」と自らに言っている人もいたりする。

これがただのドッキリの可能性もあるのに、なぜこんなに怖がるのかがわからない。

まあ、いきなり入ってきておっかなびっくりで、椅子から転げ落ちた人間には言われたくないだろうけれど。


「はいはい、静かに静かに〜。とりあえずみんな席ついてもらえる?説明やらなんやらができないから。あ、反論したら殺すよ」


すると、みんなどうようしながらも席に着いた。

俺も、鞄を持ったまま席に座る。

教科書を出して、色々と準備をしたいところだが、今はそんなことをしている場合ではない。

このピエロの話しを聞かなければ、どんな恐ろしい目にあうかわからない。


「はい、みんな席に着いたね。今から、学園クエストについての説明するよぅ。とりあえず私の自己紹介をしなきゃね。私の名前は、フラワー002。フラワーとか、言いやすい呼び方で読んでくれて構わないよ。性別は女で、誕生日は8月15日。学園クエストの第2管理者だよ!学園クエストが終わるまではずぅーっとみんなといるからねよろしく!」


長々と自己紹介をした、フラワー002は一礼をした後にこちらへ向き直った。


「じゃあ、はじめに学園クエストの説明からするね。一度しか言わないからしっかり聞いておいてね。学園クエストのルールは超簡単!指令されたゲームをクリアして行きながら、「ダミー」と呼ばれる裏切り者を探し当てることだよ。また、そのゲームで殺されたりした人は即退学。この学園には二度ともどれないよ。成功商品は有名大学への招待状、中等部入学と生徒会に入れることだよ」


俺は、こんなに残酷なルールは初めて聞いた。

だが、成功商品がそれに見合ったものなことはわかる。

この学園で、一般庶民が生徒会に入ることはほぼ不可能と言われている。

できたとしても、期末テストや中間テストで一位を保持し続けるしかない。

また、有名大学への招待状も手に入れることもほぼ不可能だ。

だから、このゲームに勝てば、将来有望なことは確実だ。


「ちなみに、「ダミー」選択できるのは1人につき一回だからね。もしも間違えたりしたら、即退学だよ。あ、学園クエスト中は転校も許されないから。そこんところよろしくね」


俺は、この話を聞いて驚愕した。

つまり、この学園クエストが終わるまでは俺たちにとっての「自由」がないということだ。

クラスメイトのみんなも、ありえないと言わんばかりに目を見開いている。


「さてさて、まずは第1回戦のゲームを発表しなきゃね。第1回戦は…その名も「人狼ゲーム」っっ!!」


俺は、第1回戦のゲームを聞いて、これからとんでもないことが起こることを確信した。

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