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学園クエスト  作者: 雪村渚
1/5

0.プロローグ

〈???視点〉 [私立星葉学園小等部寮]


私立星葉学園、この学園にはある一つの噂があった。

それは、「この学園の小等部には学園クエストというゲームが10年に一度起こる」というものだ。

この噂を立てたのはたった1人の少女だった。


「フンフフーン♪明日こそが本当の学園クエストの始まりだぁ」


この少女の名は、廻華奈恋みかなれんという。

私立星葉学園小等部に通う6年生だ。

そして、この学園の理事長の娘でもある。

この娘は、特別という名に飢えていた。

何も起こらない平凡な毎日に苛立っていたのだ。

女子児童の陰口、男子児童のセクハラ、先生達の普通の授業。

こんな、どこの小学校でも行われているような日常生活に苛立っていたのだ。


そこに思いついたのが「学園クエスト」。

学園クエストとは、ある人クラスに紛れ込んでいる「ダミー」というこちら側、いわば恋側に所属している人間をゲームをしながら見つけていくというゲームだ。

「ダミー」を見つけた人間やグループには、中等部に入ることができ、生徒会にも入れ、大学も有名なところへ行けるという優勝商品がある。


噂を流すのは簡単だった。

はじめに、「ダミー」を使って小等部全体に噂が流れるようにした。

次に恋の父親、理事長に警告の手紙を書いてもらい、児童達を怖がらせる。

たったこれだけのことをしただけで、小等部に通う児童達の噂のまとになった。

流石の恋もこんなにも簡単に噂が流れるとは思ってもいなかった。


恋は、主催者としてこのゲームに参加することになっている。

そして、もう1人「ダミー」となる人間はこのゲームに自ら参加することになる。

もちろん、「ダミー」は勝っても負けても必ず優勝商品と同じ価値のあるものが与えられる。


「さぁて、どんな服を着て行こうかなぁ」


恋が、服選びに迷っていると「コンコンコン」というノックの音がして、ある1人の男の子が入ってきた。


「失礼します、お嬢。明日から始まる学園クエストのことについてお時間いただけないでしょうか。」

「ん、いいよいいよー。んで、どしたの?」


彼こそが今回の学園クエストの「ダミー」となる人間、奏井幸那かないこうただ。

彼には、前にこの学園に転入してきてもらい、色々と学園クエストについて手伝ってもらっていた。


「明日のゲームについてなのですが、何にするのか教えていただきたく」

「ん、そのことね。日程は、5月1日から5月7日までの1週間。ゴールデンウィーク真っ盛りだけど、学園に泊まってもらい人狼ゲームをするつもりだよ〜」

「了解致しました。人狼ゲームに必要な設備等はこちらで準備いたしますので。では、教えていただきありがとうございました。失礼いたします」


彼は、一礼をして部屋から出て行った。

いつも表情が硬いから、笑って欲しいとは思うが、そうはいかないのでまた今度にしようと思う。


「さてっと、服はんー…これにしよう!」


恋が考えに考えた末に決めた服は、丈の短いピエロ服だった。

棚の中から、服と仮面を取り出してきてみた。


「んー、これじゃちょいと物足りないなぁ。じゃあ、これをつけてみよ!で、髪型はこうしよう」


恋は、ダイヤとハートのピアスを耳につけて、スペードのネックレスをつけて、クローバーの手飾りをつけた。

そして、髪を巻いて、くるくるにした後に、高い位置に髪を結んでツインテールにした。


「うん、これでバッチリ!最後に私のコード名を考えないとな」


コード名とは、いわば偽名のようなものだ。

だけれど、こちらの偽名は必ず名前に関係のある偽名にしなければならない。

例えば、名前が「空」だったらスカイにしなければならない。

そして最後にコード番号を入れる。

そうすると、コード名が出来上がる。

恋の場合は、父親が001だから恋は002だ。


「コード名は…そうだ!フラワー002(ゼロゼロニ)にしよう!これで明日の備えはバッチリだな!明日が楽しみだなぁ」


恋は、そう言いながらきていた服を脱ぎ始めたのだった。


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