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最終話:その国最強につき注意

ごめんなさい

 モブ王国に3人が召喚されて3ヶ月。

 本当に色々とあった。


 取り敢えず、モブ王国の国民はおかしなことになっている。


 開拓速度が半端ない。

 そりゃそうだ。

 成人の国民全員がレベル3桁に突入している。


 200人の兵士の人達が毎日交代で、魔物狩りをしているし。

 外に出た若い人達が、他国で冒険者としてダンジョン攻略や、希少で凶悪な魔物を狩っているせいもある。


 手の空いた国民も、暇潰しに魔物を狩りに出かけるレベル。

 他にも学生や老人も、家でやる仕事が無いから魔物を狩るかと出かける。

 魔物を狩る事が国の利益にも、自分達の身の安全にもつながる事を知っているからだ。

 鍬や鎌を持っているならまだ良い方だ。


 中には……


「手頃な木の棒……無いな、これで良いか」


 と石ころを拾って魔物狩りに出る始末。

 結果、毎日300人~400人が世界各国で魔物を狩っている。


 最初の10人のレベルは、すでに620と達人どころか伝説級の戦士。

 後続も、殆ど差が無いレベルだ。


 それもそうだろう。

 3週間目で1000人のパーティになったのだ。

 それから毎日、経験値300倍ブースト。


 3か月目まで約80日間毎日300倍ブースト。

 24000日、毎日魔物狩りを続けたのと一緒だ。

 ざっくりと65年……毎日魔物狩りを続けた冒険者と同等。

 

 しかもドラゴンなんかも集団で狩って来る。

 そのドラゴン退治も5人で挑んだとしても、ドラゴンから得られる経験値を5人で割った後で5倍になって戻ってくるので、実質1人で倒したのと同じ。


 伝説にも手が届くというものだ。


 その中にあって、さらに80倍ブーストのユウイチは、レベル3200……

 人外どころか、想像を遥かに超えたレベルだ。

 基礎ステータスが一般人としても、レベル600の勇者より遥かに強い。


 レベル3桁の農民達は素手で岩を砕き、爪先で畑を耕していく。

 靴なんか履かない。

 すぐにボロボロになるし、足の方が頑丈だからだ。


 森を切り開くのも、素手で引っこ抜いて行く。

 その光景を見ていた他国の兵士が、慌てて帰っていくのも頷ける。


 魔族の進行?

 そんな事もあったっけというレベルだ。


 一致団結すれば、この国の住人だけで魔王が倒せるレベルになっている。

 なんせ、国民全員が伝説の戦士。


 お父さんも、お母さんも、おじいちゃんも、おばあちゃんも。

 子供達は流石にある程度レベルを上げて、パーティから外している。

 子供がうっかり家具を壊したり、家を壊したりという事故が多発したからだ。


 そんな国に魔族が意気揚々と乗り込んでくる。


「フハハハ! この国も今日で終わりだなぁっ!」


 そんな事を言いながら、先兵の翼と角の生えた魔族が城下町の外で畑を耕していたおじいさんに襲い掛かる。


 魔族の放った魔法がおじいさんを直撃したが、おじいさんは「おやっ?」っと言いながらゆっくりと振り返って首を傾げていたとか。


「何か用かの、若いの?」

「えっ?」


 炎の魔法が直撃した背中をポリポリと掻いて、おじいさんが固まる。


「おんやぁ? 服が破れとる」

「いや、服って……」

「ぬしゃぁがやったのか?」

「えっ? いやっ?」


 そこに遅れて200人の魔族が到着する。

 その後ろには、空を黒く染める程の魔族の大群。

 1万人規模だろうか?


 本格的に、この国を大陸攻略の足掛かりとして進軍してきたらしい。


「どうしたんじゃ、セリオじいさん?」

「ばあさんや、そこの黒い人がわしの服をやぶってもうた」

「おいっ! お前ら! 俺が誰か分かってるのか?」


 魔族が仲間が到着したことで、ようやく我に返って2人に凄む。


「どうしたんだセリオさん?」

「あれっ? 魔族か?」

「やばい、殺される!」


 騒ぎに駆け付けた他の農民たちが、魔族の集団を見て恐れおののく。

 その様子に、調子に乗る魔族。

 そして降り立つ、200人の魔族の集団。


「ふはははは! 殺せ! 奪え!」

「うわぁ!」

「逃げろ―!」

「子供達も早く!」


 一斉に駆け出す農民たち。

 畑を手伝っていた子供達を抱えて。


「逃げても無駄だー!」

「人間如きの足で、我らから逃げ切れ……あれっ? おいっ! 待て!」


 レベル3桁の農民の足は速かった。

 グングン魔族との差が開いて行く。


「わーい! おにさんこっちだー!」

「こらっ、ジョン! 暴れないの!」


 そんな魔族に向かってあっかんべーする子供を叱りつける母親。

 子供は手に持った石を、魔族に向かって投げつける。


「お前らなんかこーだ!」

「ぐあああああああ!」


 石がビュッという轟音を立てて、魔族の額にぶつかってズガンという音を立てて砕け散る。

 額を押さえて蹲ったまま立ち上がれない魔族。

 

 そして、その光景を見ていた農民達が顔を見合わせて頷く。


「石をぶつけながら逃げるのよ!」

「そうじゃ、わしら老人が後ろで足止めするから、若いのから逃げるのじゃ!」


 老人達が殿を務め、次々と魔族に石を投げつける。

 時折、ジャガイモやら泥も飛んでいっているが。


 ズガン!

 バシュッ!

 スパン!

 ジャガァ!


 という音を立てて飛んでいく、石やジャガイモ。

 

「グポッ」

「ガハッ!」


 お腹に穴を開けられ、頭を弾け飛ばされその場に崩れ落ちていく魔族達。

 死屍累々といった様子で、積み重ねられていく魔族の死体。


「効いてる効いてる!」

「全力でどんどん投げろ!」

「あっ、入れ歯が!」

  

 それまで牽制のつもりで投げていた老人達が、力を込めて全力で石や岩、畑の土やらを投げつける。


 ガシュッ!

 マダンッテ!

 イレバァッ!


 と凄い音を立てて魔族や地面が爆ぜる。

 直前まで迫っていた上空の黒い塊が、途中で制止する。


「あれが、本隊か!」

「流石にあれは無理じゃろう。じゃが、もう城門は目の前じゃ! ほらっ、兵隊さん達が出てきておる」

「そこまで行けば」


 ちなみに魔族を倒しても経験値は入る。

 この間もドンドンレベルが上がる住人達。

 そのレベルアップのペースの速さに、異変を察知した兵士が報告を受けるまでもなく飛び出したのはさもありなん。


「よしっ、最後の置き土産じゃ!」

「それはデカすぎじゃろ!」

「わしは、もっとでかいの持てるぞい!」


 最初に攻撃を受けたセリオじいさんが持ったのは、自身の倍はあろうかという巨大な岩。

 それに対抗した、隣のフレンゾウじいさんが持ったのは道具小屋。

 中には、農具が盛りだくさん。


 ギュオンという音が鳴り、それらが空中に制止している魔族の集団を突き抜ける。

 黒い雲とも見えるそれに、巨大な大穴が空いたと同時に悲鳴が聞こえパラパラと黒い何かが地面に振ってグチャッという嫌な音をさせる。


 道具小屋は空中で弾け、中の農具が無秩序に魔族を襲う。

 流石にたまったものではないと、算を乱して逃げ去る魔族。

 そこに向かって投げつけられる矢の雨。


 何故投げるのか? 

 それは弓を使うよりも、遥かに速く、強く、遠くに飛ばせるからだ。

 半数以上が地面に落ちて、鋒鋩の体で逃げ出す魔族達に、あっけにとられたのは住人と兵士達だ。


「俺達……強くね?」

「ああ、強いだろうと思ってたけど……ここまでとは」


 その様子を遠くから見ていた、周囲の3国からすぐに和睦の使者が送られる事になったのは良い笑い話。

 何故かって?

 元々戦争すら起こしてない国が、和睦を申し込んでくるとか。


 内容は、今まで不当な取引ごめんなさい。

 これからは、適正価格で取引しますよ?

 というものだった。

 

 かなりへりくだった内容だったが。


 こうして、このモブ王国は世界最強の国家となったのだ。


――――――

「これ、非常に不味いと思うのですが?」

「どういう事じゃ?」


 大臣の言葉に、国王が首を傾げる。


「私達……ユウイチ様に逆らったり、害を及ぼすと判断されたらレベル元に戻されて解雇ですよね?」

「う……うむ……」

「ユウイチ様が、王になりたいと言ったら逆らえないんじゃ?」

「ふむ……」

「というか、1人で今のこの国の国民全員を相手しても、勝てるくらいにレベル差が開いております」

「不味いの……」


 その忠告を受けて、国王が正直に話に行く。

 どこまでもお人好しなのか?


 そんな国王の冷や汗交じりの報告を受けたユウイチが頬を掻いて答える。


「大丈夫ですよ。意外と今の生活気に入ってますから……それに、責任とか嫌いですし。もう、日本に居た時とか、その責任って奴に何度殺されかけたやら」

「そ……そうか。ユウイチ様の国は物騒なのじゃな?」

「やだなー、物の例えですから」


 本気でそう思っている事が伝わり、ホッと胸をなでおろす国王以下重臣たち。

 というか、簡単に信じてしまうあたりこの国は大丈夫なのかとユウイチも心配になる。


――――――

「それじゃあ、お別れですね」

「富田さんは戻らなくても良いのですか?


 ちなみにメグミとカズキは魔族を退けた後で、日本に帰る事となった。

 例の痛みを伴わない、毒を飲んで。


「酷い話じゃが、いまはこの毒しか戻れる手段が無いのでな」


 2人の為に、ユウイチが毒を飲んで実証した。

 王家の秘法である、復活の儀式を使って復活したユウイチが大丈夫だったよと報告したことで2人も安心した様子。


 これで、ユウイチが死んだらこの国最大の危機だったろうに。

 色々と頭が残念な国だ。

 周囲の国から良いように搾取されたのも頷ける。


 実は3国とも攻める姿勢だけ見せて、裏で取引してこの国の作物を安く買いたたく協定を結んでいたとしてもおかしくないレベルで、騙されていたのかもしれない。


「それでは皆さん、何の役にも立ってませんが失礼します」

「なんだろう……異世界らしいこと何もしてない」


 メグミががっかりした表情を浮かべつつも、笑顔で別れを告げて……

 パタリと倒れる。

 続いてカズキも。


 毒を飲んだのだから当然か。

 死体は、念の為に復活出来るよう冷凍魔法と時間停止魔法を掛けられて封印された。


 この国の遠い未来で、いきなりレベル800の勇者と賢者が封印を解かれて魔王と戦うのは別のお話。

 その時に、メグミのテンションが異常に高かったのも。


――――――

 とある異世界のモブ王国。

 ここの住人は子供から大人に至るまで、ワンマンアーミーと呼ばれるほどに強い。

 1人で、大国を相手取れるような最強戦力。


 ただ、その性質は穏やかでお人好し。

 今までは他の国の人に騙されたり、嵌められたりする被害を一番多く被っていた良い人達。


 今は、その強さゆえに誰もが尊敬をし、騙そうなどとは考えない。

 怒らせて小突かれただけで、骨が砕ける事を知っているから。


 その国の名誉参謀役。


 トンダ・ユウイチ


 上がり過ぎたレベルのせいで、500歳を超えた今も若々しい姿で参謀役とは名ばかりののんびり異世界生活を送っている。


 地球では浮いた話は殆ど無く、付き合った人数は2人という平凡な彼はこの世界で、30人の妻と80人の子供、200人の孫を持ち今も楽しく暮らしているらしい。


                                            FIN

 

酷い内容だwww

いや、まあこんな感じのスキルと展開を考えたけど、長編にする暇も無いからメモとして残しますという形です。

なら、公開すんなと言われたら……見せたがりなもので(;^_^A


いつか、ちゃんとした中身で書……かないでしょうね。


誰か、代わりに書いてくれないかな……

ちゃんと書いたら面白い気がするから、ちゃんとしたのを読んでみたい。

というアイデアだけポンと放って人任せな物語です。


あっ、こんな感じの有名作なろうにありますよってオススメがあったら、是非教えてください。

そっち読みますw


お付き合い頂き有難うございますm(__)m

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