第1章 女神様達の後悔
女神様ちょっとポンコツ
「ちゃんと見なさい!ポンコツ女神!」
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友達「もし死んでネット小説であるみたいに神様にでも転生するか聞かれたら、何が何でもこのゲームの世界に転生させてくださいって願うね!」
姫華「ふーん。なら私は転生とかになってそこが魔法有りの世界だったら、魔法超頑張るわー」
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「……ゲームの世界に行きたいって思ってたのは、姫華ちゃんじゃなくて本来死ぬはずだった姫華ちゃんの友達?あれ、もしかして私余計なことしちゃった?」
「やっと少しわかりましたか。それとゲームの世界って、オウカディアの世界の人々に対して失礼ですよ。シナリオを書く人がたまたま夢か何かでオウカディアでのとある一部分を見てそれを元にゲームを作っただけでしょう?」
「うう。そうだね。普通に皆生きてるもんね。えっでもそれ以外は余計なこと、してない…よね?」
「……はあ。ゲームの登場人物の中で1番金も権力もある立場。私も先程このゲームの情報を得ましたが、これ乙女ゲームというジャンルのものですよね。その中で1番金も権力もある立場って…王子ですよね。」
「そうそう王子、王子様!姫華ちゃん王子様になるんだよ!…………あれ?王子って女の子だったっけ?」
「性別に関して彼女は何も言ってませんでしたけど、あれだけ気に入った発言して何でも叶えてあげるって言ってたんだから、転生先が男の子なことくらい伝えてあげてくださいよ…まったく。
まあこれらのゲームと同じ世界だということ、性別が今までと変わってしまうこと、この2つは百歩譲っていいとしましょう。」
「まだあるの!?」
「だから!オウカディアで!魔法で!転生!なんですってば!ああもう、転生先に彼女を送る前に行き先を聞いとけばアドバイス出来たのに!」
「いやだからどういうこと!?」
「忘れたんですか!?オウカディアでは何がどうしてそうなったか神である我々にも分からないけど、魔力枯渇させると魔力量が成人の2人分くらい一気に増えるけど、その半分ずつだけ体力、生命力が減って死ぬこともあるって!!」
「文武両道がやりにくい世界だよね。魔力枯渇は論外だけどさ、魔力量が一般より上に行き過ぎると体力が増えにくくなるし、運動して身体鍛え過ぎると魔力量上がりにくくなるし。」
「何呑気に構えてるんです!!!姫華さん絶対魔力枯渇起こしますよ!」
「いや魔力枯渇はダメってことくらい学校で習うし、オウカディアの魔法って魔力消費少ないじゃない。初級魔法とか魔力量0.3消費とかじゃん。魔力枯渇起こさなくてもじわじわ上がるんだしわざわざ起こさないでしょ。」
「彼女は!赤ちゃんの頃から頑張るって言ってたでしょうが!!初級魔法の魔力消費が0.3でも、それを10回やれば3消費するって分かれば続けますよ!彼女は魔法関係だけのステータスを見ること可能なんですから!それに魔力枯渇起こしちゃうに決まってるでしょ!ネット小説でよくある魔力増大法なんですから!」
「…………………え。ええ。えええええええええ!?そうなの!?魔力枯渇が魔力量あげるのに良い方法って危ない認識が《地球》で根付いてるの!?」
「知らなかったんですか!?いくつかネット小説見てませんでした?」
「転生させる場面を見て参考にしようと思っただけだったから、神様と主人公がお喋りしてさよならーの場面しか見てなかった!どどど、どうしよう!このままじゃ姫華ちゃん生まれたばっかで魔法を魔力枯渇するまで使って、『わーい、魔力量増やすんだー』とか思ったままコロって死んじゃう!赤ちゃんの時の体力や生命力なんてどっちも成人1人分の魔力量分減ったら、どう考えてもマイナスになっちゃうよ!死んじゃう!姫華ちゃん生まれてすぐ死んじゃう!」
「だからさっきから慌ててるんじゃないですか!でもたぶん、すぐには死にません。女神がつけた加護その2で、20歳までは普通どうしたって死ぬでしょってもの以外では死なないはずですから」
「待って待って、確かにそれなら死なないけどさ、それははたとえ大怪我をして体力も生命力もマイナスになって死ぬところを1で止めてギリギリ生きてる状態に保つ加護だからさ、魔力枯渇なんてものを何度も起こしたら、常に本当はマイナスの状態ってことでギリギリ1で保つことになっちゃって、瀕死の状態で20歳まで生きることになっちゃう!」
「彼女と転生後も話せるようにしたんですよね?早く連絡を取って誠心誠意謝って普通に生きれるようにしてあげましょう!私も加護を与えますし謝ります。さあ早く!」
「姫華ちゃん姫華ちゃん、応答せよ!姫華ちゃーーん!あ。あああああ!私のおたんこなす!ポンコツ!馬鹿たれ!ミジンコ!」
「どうしたんです。貴女が馬鹿たれなのは2回連続して年度毎に出す各世界の死亡運命数の桁を間違えた時にわかってます、何があったんですか!」
「ごめんなさい!ごめんなさああい!連絡取れるようにしたつもりだったけど、これ姫華ちゃん側から発信しないとダメなタイプだった!」
「まったくもって使えませんね。ダメ神!どうしましょうどうしましょう。しかもオウカディアでは貴女の信仰はあるにはあるけど、豊穣を司るオウカディア原産の神とかに抜かれててほとんど見ることすら出来ないじゃないですか!」
「……」
「……」
「私、次に姫華ちゃんに会ったら土下座して謝って、死後のことについてなんでも願いを叶える。」
「私も特に希望がなければ高位天使としてこちらに迎えて自由に好きなように過ごしてもらえるよう手配するつもりです。」
こうして姫華は《オウカディア》で王子として生まれ、魔力枯渇を起こして瀕死の状態で生き続けることになるのである。
…もっとも、そんなこと知らずにこの身体虚弱だなーとか思いながらBL妄想をする姫華本人であった。
知っても本人はあんまり怒らなそうw