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ミダスの泉

 男達は困り顔で泣き崩れる娘を見下ろしていた。


 娘の下には金色に輝く父親の亡骸がある。呪いの泉で金に変わったのだ。


「可哀想だが、全部残すというわけにはいかないんでね」

 一人がそう言って金無垢の像となった亡骸の指を一本折り取ると、他の男達もそれに続いた。


 泉の水は飲んだ人間を金に変える。

 くじを引いて選ばれた一人を金に変え、潰して売ることで村は栄えた。村人達は犠牲になった一人に感謝しながら暮らした。


 犠牲者の家族は亡骸の望んだ箇所を自分たちのものとすることができる。

 娘は父の頭を持ち帰り泣きながら埋めた。


*~*~*


「…そうして隠された頭が発見され黄金の秘宝として今まさに我々の前に」

「展示物にテキトーなキャプションつけるのやめろよ」


 二人は次の展示に進んだ。

 そこにあったのは黄金の(伏字)。


「…娘じゃなくて息子が選んだな」

「ああ、潰すにしのびなかったんだろう」

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