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バレンタイン(再録)

『pisforpage single stories 現代[読切詰合せ]』に詰め合わせたものの移動です

【その1】



「バレンタインとかけて!

 バレンタインとかけて?

 ルイベと解く!

 その心は?

 チョコっとレートゥが必要です!

 ヤンヤヤンヤー!」


 雪の日に駅まで乗せてくれた親切なお隣さんにチョコ持ってきたんだけど、中から響く声は一人分。


 …とてもチャイムが押し辛い。


* * *


「チョコレートとかけて?」

「うをっ! 無茶振り! え、えーと、チョコレートとかけて!」

「かけて?」

「独身男と解く!」

「その心は?」

「どちらも温もりに弱いでしょう!」

「おひねり持ってけ!」


 チョコを渡してドアを出てから気づく。


 …違うの!

 あれはお礼だったのに!



【その2】



 行きつけのラーメン屋に100円高い「バレンタインチャーシュー麺」があったので頼んだ。


 チャーシューがハート形だった。


 たっけえチャーシューだなぁおいっ!

 って思ったら会計の時におばちゃんがリボンつけたチョコ菓子くれた。


 ……くそっ、来年も頼んでやんよ!



【その3】



 バレンタインデーに旦那がもらってきた義理チョコ。

 食べていいよと言われ開けてみたら有名店の高級チョコ、しかも真ん中に赤いハート。イラっときたので全部ガリガリ食べてやった。


  どうやら私、けっこう旦那のこと好きらしい。

 ちょっと仮想敵に贈るお返し探しに行ってくる。


* * *


 ホワイトデー前日。

 帰ってきた俺に妻が立派な箱を差し出す。


「バレンタインデーに頂いた義理チョコのお返し。よく気のつく妻が評判のスイーツを準備しましたよ」


 なんて小鼻を膨らませて得意げな顔してるから、実は自分で買ったなんてもう言えない。

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